Interview
最終更新: 2018-10-11
さまざまなインシデントやサイバーセキュリティに関係する情報を、独自の情報網を活かして収集し、それらを分析して攻撃活動の兆候を探索、具体的な対策などの検討を行い、国内の重要インフラ事業者や企業、CSIRTやITベンダ等に対して情報を発信していくことが私たち早期警戒グループの仕事です。
これらの情報を発信していく際には、事案の性質を勘案して特定の業界等に向けた「早期警戒情報」やWebページを通じて配信する「注意喚起情報」など、5種類の配信チャンネルから最も適切なものを選択して発信しています。広範囲に影響がおよぶ攻撃の発生時には、情報が錯綜しがちです。このような時こそ、パニックを起こすことのないよう発信する情報の内容とタイミングが重要です。
また、精確な情報を発信するために、多種多様で膨大な情報から対策につながる有意な精度の高い情報収集の仕組みづくりや、脆弱性を検証するための仕組みづくり、分析技術の開発、情報収集から分析、配信までのスキームの策定も重要な業務の1つです。
社会的な使命感の強い業務だからこそ、
“働く環境”が重要となる
日本の窓口CSIRTでもある私たちは、日本における情報セキュリティの最前線に位置する仕事ということで、強い社会的使命感を伴うやりがいを感じることができます。また、このグループは新たな試み、研究、対応に活力を持って意欲的に取り組む人間が多いので、活気ある雰囲気の中で仕事ができるのがいいですね。基本的に知的好奇心が強く、新しい知見を得ながら見識を深めていくマインドの強い人間ばかりなので、私も大いに刺激されます。社会的使命の強い仕事だからこそ、こうした仕事環境が大切になってくると思っています。
|
|
また、業務を通じてセキュリティ関連のカンファレンスに参加する機会も豊富にあり、国内外のCSIRTのメンバーやIT・セキュリティベンダのエンジニアやアナリストなど、セキュリティに携わる人々と意見交換をしたり、日々の業務で培った知見を発表したりできることもこの仕事のやりがいの一つです。
高度な情報収集能力や分析力を駆使し、
情報セキュリティの最前線に立つ人々を支えていく
JPCERT/CCでは、常に「半歩先、一歩先」を見据え、情報収集や分析・解析に関する新たな技術の確立など、日々新しい取り組みを行っています。そうした常日頃からの取り組みにより、日本の窓口CSIRTとしてどこよりも早くセキュリティ情報をキャッチし、迅速に注意喚起や具体的な対策などを発信していくことができます。世界各国のCSIRTと比べても、情報収集から脅威の分析、その対策の策定、関係機関とのコーディネーション、情報の公開までのスピードや公開情報の精度・信頼性において遅れはとっていないと自負しています。そして、それを支えとなっているのは、私たちJPCERT/CCを支えていただいている各組織との強固な連携と信頼によるものであることも私たちの強みであると言えます。
そうしたJPCERT/CCならではの“強み”にさらなる磨きをかけていくことも私の使命の一つです。サイバーインシデントの脅威を捉え、セキュリティの最前線に立つ人々を支えていくことが、日本の情報化社会のさらなる発展につながるものと信じています。
Topへ