2019年9月27日、一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)の創設メンバーであり初代代表理事を務めた、山口 英の「インターネットの殿堂(Internet Hall of Fame)」入りが発表されました。
インターネットの殿堂は、インターネットの発展に顕著な貢献が認められた個人を表彰するものです。2012年に非営利組織であるInternet Society(ISOC)(*1)によって設立され、これまでに、日本人5名を含む103名がこの殿堂入りを果たしています。この度、ここに山口 英を含む11名が加わりました。
今回の殿堂入りは、山口 英のサイバーセキュリティに関する研究と教育、世界中のCSIRTが加盟する団体FIRSTへの貢献、アフリカやアジアにおけるCSIRT間連携の強化、WIDEプロジェクト(*2)やAI3(*3)においての主導的な役割が評価されたものです。なお、山口 英は2016年5月に逝去いたしました。
New Class of Internet Hall of Fame Inductees Announced(ISOC)
2019 inductees recognized for contributions to Internet growth, access, and security around the world
https://www.internetsociety.org/news/press-releases/2019/new-class-of-internet-hall-of-fame-inductees-announced/
菊池 浩明 (JPCERT/CC 代表理事)からのメッセージ:
この度の山口 英氏のインターネットの殿堂入りという大変な栄誉を心より嬉しく思っております。
国際関係の複雑化によりサイバーセキュリティをとりまく状況は日々厳しさを増しています。山口氏が残してくださった、JPCERT/CCという組織への世界中からの信頼を糧に、これからも職員一同研鑽に努めて参ります。
1996年10月 |
コンピュータ緊急対応センター(JPCERT/CC)設立に関わる コンピュータ緊急対応センター運営委員会委員長 |
2003年 3月 |
名称を「JPCERTコーディネーションセンター」に変更、中間法人として設立登記 JPCERTコーディネーションセンター代表理事 |
2004年~2016年 |
JPCERT/CC 理事 2010年から主に国際連携の強化と人材の育成に従事。 |
2011年~2013年 | FIRST理事 |
*1 Internet Society(ISOC):https://www.internetsociety.org/about-internet-society/
Internet Society (ISOC)とは、インターネット技術およびシステムに関する標準化、教育、 ポリシーに関する課題や問題を解決あるいは議論することを目的とした非営利の国際組織。 1992年よりインターネットの普及促進や、関連技術の開発促進という観点から、 国際的な調整機関としての役割を担っている。
*2 WIDEプロジェクト:http://www.wide.ad.jp/
WIDEプロジェクトとは、「地球上のコンピュータやあらゆる機器を接続し、人や社会の役に立つ分散システムを構築する。そのために必要な課題と問題点を追求する」ことを理念とし、村井純氏らが1988年に創設した、広域に及ぶ分散型コンピューティング環境に関する、 産学共同の研究プロジェクト。全国の大学や研究機関、企業など、100を超える団体が参加している。
*3 AI3:https://www.kri.sfc.keio.ac.jp/ORF/2000/press/ai3.pdf