JPCERT/CCでは、国内外からインシデントや脆弱性などサイバーセキュリティに関するさまざまな問題について報告をいただき、技術的な分析や問題を解決するための関係者間の調整を行い、問題から得られた知見や対策につながる情報を発信しています。問題をいち早く発見し正確な情報を提供いただける報告者(レポーター)の皆さまの活動は、JPCERT/CCが一連の活動を進めるためになくてはならないものです。インシデントや脆弱性の数が増加し、また問題が複雑・高度化している現状において、レポーターの皆さまと協力してより多くの問題を迅速に解決していくことがますます重要になっています。JPCERT/CCでは、報告者の皆さまのお力添えに感謝の意をお伝えしたく「ベストレポーター賞」を制定しました。
インシデント報告と脆弱性報告の各部門において、JPCERT/CCの活動に対し情報提供による顕著な貢献をいただいた方に、年1回、感謝の意を表し記念品をお贈りしています。
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【インシデント報告部門】 社会医療法人財団古宿会 齋藤 直哉 様 |
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近年、医療機関を狙ったサイバー攻撃事案が増加する中で、齋藤様は社会医療法人財団古宿会が運営する複数の医療機関や施設の情報システム運用管理者として、同会の施設や職員、ひいては地域の医療サービスそのものを守るためのサイバーセキュリティ対策やインシデント対応にご尽力されています。JPCERT/CCに対しては、各施設や職員を標的とするフィッシングメールやフィッシングサイトについて500件を超える報告をいただきました。それらの報告はサイトへの対応や被害の低減に直結する有用なものが多く含まれ、さらに分析や注意喚起等にも生かされました。 そうした齋藤様の活動について、インターネット社会全体の安全への継続的な貢献とJPCERT/CCの活動へのご協力に感謝し、ベストレポーター賞を贈呈いたしました。 |
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【脆弱性報告部門】 GMO Flatt Security株式会社 RyotaK 様 |
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(受賞者の希望により写真ではなくご本人を示すアイコンを掲載しています) |
RyotaK様は、これまで数多くの製品の脆弱性を発見され、製品開発者との調整や公表を通じた適切な脆弱性情報の流通への多大なご協力をいただきました。脆弱性の報告者として製品開発者や調整機関との協力・連携のもとで行動され、CVD(Coordinated Vulnerability Disclosure)における報告者の振る舞いとして模範となるものです。そうしたRyotaK様の活動に感謝し、ベストレポーター賞を贈呈いたしました。 また、ご自身で製品開発者と直接調整を行うケースや、JPCERT/CCに調整を任せるケースなど、状況によって調整の進め方を使い分けられています。このことは、JPCERT/CCにとって脆弱性調整のあり方への新たな視点をもたらし、活動をよりよいものにするきっかけとなりました。 |
JPCERT/CC ベストレポーター賞
(受賞者の希望により写真ではなくご本人を示すアイコンを掲載しています)