JPCERT/CCでは、国内外からインシデントや脆弱性などサイバーセキュリティに関するさまざまな問題についての報告をいただき、報告された問題の技術的な分析、問題を解決するための関係者間の調整、問題から得られた知見や対策につながる情報を発信しています。問題をいち早く発見し正確な情報を提供いただける報告者(レポーター)の皆さまの活動は、JPCERT/CCがサイバーセキュリティにおける問題を解決するための一連の活動を進めるためには無くてはならないものです。インシデントや脆弱性の数が増加し、また問題が複雑・高度化している現状においては、レポーターの皆さまと協力してより多くの問題を迅速に解決していくことの重要性はさらに増してきています。そこでJPCERT/CCでは日々情報を提供いただいている報告者の皆さまのお力添えに感謝の意をお伝えしたく、「ベストレポーター賞」を制定しました。
ベストレポーター賞は、インシデント報告と脆弱性報告のそれぞれの部門において、情報提供によりJPCERT/CCの活動に顕著な貢献をいただいた方に年1回、感謝の意を表し記念品をお贈りさせていただくものです。
(五十音順)
【インシデント報告部門】 日本電気株式会社 岩田 友臣 様 |
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JPCERT/CCでは、皆さまからインシデント報告をいただくことで、インターネット上のインシデントが1つでもなくなるように日々コーディネーション活動を進めています。2021年度には50,801件のインシデント報告が寄せられるなど、数多くの報告者の方々に日々ご協力いただいております。JPCERT/CCに報告をくださったすべての方々に、この場を借りて感謝申し上げます。 岩田様は、過去数年にわたり、ご自身のプライベートな時間を使いインターネット上の改ざんサイトやフィッシングサイトをリサーチされ、国内のWebサイト改ざんインシデントに関する質の高い報告を数多くいただきました。また、JPCERT/CCが主催するコミュニティーにおいて、その手口の傾向や調査方法等について共有いただくなど、対策の普及の面でも多大な貢献をされました。 |
【脆弱性報告部門】 Michael Heinzl 様 |
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Michael Heinzl 様は、産業用システム・制御システムにおけるセキュリティに関する研究者として活躍され、その研究活動の中で数多くの産業用/制御システムや機器の脆弱性を発見し報告されています。日本製のシステムや機器についても多くの脆弱性を報告し、JPCERT/CCを介して製品開発者との連携を行い、Responsible Disclosureを実践されています。また、Michael Heinzl様の脆弱性報告によって報告の対象となった製品開発者において、報告への対応をきっかけとしてPSIRT体制の整備や脆弱性対応手順の改善につながるなどの好ましい変化をもたらした事例がいくつか見られました。さらに、それらの脆弱性報告と製品開発者の対応の事例は、JPCERT/CCが主催する国内の制御システム開発者のコミュニティーでのPSIRT活動の普及啓発に活かされています。
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JPCERT/CC ベストレポーター賞