2022年6月、一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)は、サイバーセキュリティ対策活動に特に顕著なご貢献をいただいた方に感謝の意を表して感謝状を贈呈しました。
2021年度は2020年度に引き続き標的型ランサムウェアによる被害が多数確認され、フィッシングサイトの確認件数も増加の一途をたどるなど、インターネットを取り巻く厳しい状況が続いています。またオリンピック・パラリンピック東京大会の開催や昨今の国際情勢の大きな変化を背景に、国際社会の中でのわが国の置かれる状況が国内企業や組織のサイバーリスクにもたらす影響について注目が集まる年となりました。
JPCERT/CCは、さまざまな国内のサイバー攻撃の被害を低減するために、インシデントへの対応支援活動、インシデントを未然に防ぐための早期警戒活動、マルウェア分析、ソフトウェア製品等の脆弱性に関する調整活動を行っています。これらの活動を円滑かつ効果的に進めるためには、皆さまからの情報提供やさまざまなご協力が欠かせません。
JPCERT/CCでは、サイバーセキュリティ対策活動に対する皆さまからのご厚意とお力添えに深く思いをいたし、第9回目となる2022年度は次の方に感謝状を贈呈いたしました。
横浜国立大学 吉岡 克成 様![]() |
横浜国立大学の吉岡 克成 様は、わが国のサイバーセキュリティ研究の第一人者としてセキュリティ対策の普及のために幅広くご活躍されています。 JPCERT/CCが主催する「定点観測友の会」においても、IoTマルウェアに関する研究分析結果など、研究の中で発見された課題を共有いただいています。さらに、吉岡様の仲介によって観測技術を持つメンバーを拡げるなど、会の活動への多大な貢献をいただきました。 また、研究活動の中で発見されたIoT機器の脆弱性について数多く報告し、Responsible Disclosureを実践されています。JPCERT/CCの脆弱性情報コーディネーションの活動においても、製品開発者での問題の確認などスムーズな調整にご協力をいただきました。 このように、研究活動を通じてさまざまな形でJPCERT/CCの活動へのご協力をいただいたことに感謝し、このたび感謝状を贈呈いたしました。 |
株式会社 bitFlyer 松岡 晋矢 様![]() |
国内最大手の暗号資産交換業者の一つである株式会社bitFlyerで、松岡様はセキュリティインシデント対応を担うCSIRTとしてご活躍されています。 松岡様には、過去数年に渡り、暗号資産交換業者をターゲットとした標的型攻撃に関する情報をご提供いただいています。その結果、報告いただいたインシデントに関連する情報をJPCERT/CCから多くの組織に共有し、インシデントの早期発見、収束に役立てることができました。自組織のインシデントを報告することに対して消極的な企業や組織が依然として多い中、松岡様は自社で観測された事象からの知見によって他組織の被害抑制に寄与すべきとの思いから、インシデント報告を積極的に行ってくださっており、その姿勢は多くの組織にとって範となるものです。インシデント報告を通じてインターネット社会全体の安全につなげるJPCERT/CCの活動へ継続的にご協力いただいていることに感謝し、このたび感謝状を贈呈いたしました。 |
JPCERT/CCからの感謝状の贈呈について:
国内においてサイバーセキュリティインシデントの被害の低減に大きく貢献した方に感謝の意を表することを目的に「JPCERT/CC感謝状制度」を2014年4月に制定いたしました。これに基づいて、顕著なご貢献をいただいた方々に、年1回JPCERT/CCより感謝状を贈呈させていただくものです。
JPCERT/CC 感謝状