2017年7月25日
サイバーセキュリティ対策活動への協力者に感謝状贈呈
一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター
2017年7月、一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)は、サイバーセキュリティ対策活動に特に顕著なご貢献をいただいた方に感謝の意を表して記念の盾とともに感謝状を贈呈いたしました。
インターネットを含むサイバー空間を取り巻く脅威は環境の変化とともに日々高まり、高度サイバー攻撃がもたらす、複雑なインシデント対応の重要性も認識されるようになりました。反面、サイバー攻撃の被害は収まるどころか拡大の一途をたどり、その実態も深刻さを増しています。
JPCERT/CCは、国内のインシデントの被害を低減するために、インシデントへの対応支援活動、インシデントを未然に防ぐための早期警戒活動、マルウエア分析、ソフトウエア製品等の脆弱性に関する調整活動などを行っています。これらの活動を円滑かつ効果的に進めるためには、皆様からの情報提供やさまざまなご協力が欠かせません。
JPCERT/CCでは、サイバーセキュリティ対策活動に対する皆様からの御好意と御力添えに深く思いをいたし、第4回目となる2017年度は次の方に感謝状と記念の盾を贈呈いたしました。
(五十音順)
株式会社クルウィット 島村 隼平 様
左: JPCERT/CC 歌代、右:株式会社クルウィット 島村様 |
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)のNICTERプロジェクト(※)に分析官として10年以上携わっておられ、セキュリティ上の脅威となる脆弱性の探索や攻撃活動等、トラフィックの特異な動きをいち早く検知・分析した結果を長きに渡ってJPCERT/CCや関係のコミュニティ(定点観測友の会)に提供いただいてきました。また、以前よりIoT機器を含むさまざまな脅威を認識し、分析を深めてこられた島村氏は、2016年に大規模なボットネットの構築により、世界中のユーザが影響を受けたマルウエア「Mirai」の分析においても有用な情報を提供いただきました。なかでも、マルウエアの特徴や影響を受ける機器に関する情報は、感染機器の発見や設置されているネットワーク管理者または影響を受ける製品ベンダへの連絡につながるなど、多岐に渡り国内の被害低減に貢献されました。 ※NICTERプロジェクト: NICTが立ち上げたNetwork Incident analysis Center for Tactical Emergency Response (NICTER)は、コンピュータネットワーク上で発生する様々な情報セキュリティ上の脅威を広域で迅速に把握し、有効な対策を導出するための複合的なシステム。サイバー攻撃の観測やマルウエアの収集などによって得られた情報を相関分析し、その原因を早期に検出し、迅速かつ実効的な対策を導き出すことを目的としたプロジェクトである |
Recruit-CSIRT 様
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日本の組織を標的とする高度なAPT攻撃の対応において、自社で確認した攻撃の詳細な情報をいち早く共有いただいたことで、タイムリーな注意喚起や早期警戒情報の発行につながるなど、被害の拡大を防止する活動に大きく貢献いただきました。また、攻撃の中で確認されたソフトウエアの脆弱性や、自社内の調査で発見した国内のソフトウエアに関する脅威度の高い脆弱性について詳細な分析レポートを提供いただき、脆弱性関連情報の公表をはじめとしたJPCERT/CCの脆弱性情報ハンドリングに寄与いただきました。 |
JPCERT/CCからの感謝状の贈呈について:
国内においてサイバーセキュリティインシデントの被害の低減に大きく貢献した方に感謝の意を表することを目的に「JPCERT/CC感謝状制度」を2014年4月に制定いたしました。これに基づいて、顕著なご貢献をいただいた方々に、年1回JPCERT/CCより感謝状を贈呈させていただくものです。
JPCERT/CC 感謝状