JPCERT コーディネーションセンター

Weekly Report 2018-12-27号

JPCERT-WR-2018-5001
JPCERT/CC
2018-12-27

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■12/16(日)〜12/22(土) のセキュリティ関連情報

目 次

【1】Microsoft Internet Explorer にスクリプトエンジンのメモリ破損の脆弱性

【2】Cisco Adaptive Security Appliance (ASA) に権限昇格の脆弱性

【3】東芝ライテック製ホームゲートウェイに複数の脆弱性

【4】横河電機製 Vnet/IP オープン通信ドライバにサービス運用妨害 (DoS) の脆弱性

【5】ファイルシステムドライバ Dokan にスタックバッファオーバーフローの脆弱性

【6】cordova-plugin-ionic-webview にパストラバーサルの脆弱性

【7】PgpoolAdmin にアクセス制限不備の脆弱性

【8】MsiAdvertiseProduct に権限昇格の脆弱性

【今週のひとくちメモ】JPCERT/CC が「2017年度 CSIRT構築および運用における実態調査」を公開

※紹介するセキュリティ関連情報の選定基準は以下のページをご覧ください。
https://www.jpcert.or.jp/wr/

※PGP署名付きテキスト版および XML 版は以下のページをご覧ください。
https://www.jpcert.or.jp/wr/2018/wr185001.txt
https://www.jpcert.or.jp/wr/2018/wr185001.xml

【1】Microsoft Internet Explorer にスクリプトエンジンのメモリ破損の脆弱性

情報源

US-CERT Current Activity
Microsoft Releases Out-of-Band Security Updates
https://www.us-cert.gov/ncas/current-activity/2018/12/19/Microsoft-Releases-Security-Updates

概要

Microsoft Internet Explorer には、スクリプトエンジンのメモリ破損の脆弱
性があります。結果として、遠隔の第三者が任意のコードを実行する可能性が
あります。

対象となる製品およびバージョンは次のとおりです。

- Internet Explorer 11
  - Windows 10 Version 1703 for 32-bit Systems
  - Windows 10 Version 1703 for x64-based Systems
  - Windows 10 Version 1803 for 32-bit Systems
  - Windows 10 Version 1803 for x64-based Systems
  - Windows 10 Version 1803 for ARM64-based Systems
  - Windows 10 Version 1809 for 32-bit Systems
  - Windows 10 Version 1809 for x64-based Systems
  - Windows 10 Version 1809 for ARM64-based Systems
  - Windows Server 2019
  - Windows 10 Version 1709 for 32-bit Systems
  - Windows 10 Version 1709 for 64-based Systems
  - Windows 10 Version 1709 for ARM64-based Systems
  - Windows 10 for 32-bit Systems
  - Windows 10 for x64-based Systems
  - Windows 10 Version 1607 for 32-bit Systems
  - Windows 10 Version 1607 for x64-based Systems
  - Windows Server 2016
  - Windows 7 for 32-bit Systems Service Pack 1
  - Windows 7 for x64-based Systems Service Pack 1
  - Windows 8.1 for 32-bit systems
  - Windows 8.1 for x64-based systems
  - Windows RT 8.1
  - Windows Server 2008 R2 for x64-based Systems Service Pack 1
  - Windows Server 2012 R2

- Internet Explorer 10
  - Windows Server 2012

- Internet Explorer 9
  - Windows Server 2008 for 32-bit Systems Service Pack 2
  - Windows Server 2008 for x64-based Systems Service Pack 2

この問題は、Microsoft Update 等を用いて、更新プログラムを適用すること
で解決します。詳細は、Microsoft が提供する情報を参照してください。

関連文書 (日本語)

Microsoft
CVE-2018-8653 | スクリプト エンジンのメモリ破損の脆弱性
https://portal.msrc.microsoft.com/ja-jp/security-guidance/advisory/CVE-2018-8653

JPCERT/CC Alert 2018-12-20
Microsoft Internet Explorer の脆弱性 (CVE-2018-8653) に関する注意喚起
https://www.jpcert.or.jp/at/2018/at180051.html

関連文書 (英語)

CERT/CC Vulnerability Note VU#573168
Microsoft Internet Explorer scripting engine JScript memory corruption vulnerability
https://kb.cert.org/vuls/id/573168/

【2】Cisco Adaptive Security Appliance (ASA) に権限昇格の脆弱性

情報源

US-CERT Current Activity
Cisco Releases Security Updates
https://www.us-cert.gov/ncas/current-activity/2018/12/19/Cisco-Releases-Security-Updates

概要

Cisco Adaptive Security Appliance (ASA) には、権限昇格の脆弱性がありま
す。結果として、遠隔の第三者が Web 管理インターフェイスを使用して、当
該製品から設定ファイルを取得するなどの可能性があります。

対象となるバージョンは次のとおりです。

- Cisco Adaptive Security Appliance (ASA) 9.4.4.29 より前のバージョン
- Cisco Adaptive Security Appliance (ASA) 9.6.4.20 より前のバージョン
- Cisco Adaptive Security Appliance (ASA) 9.8.3.18 より前のバージョン
- Cisco Adaptive Security Appliance (ASA) 9.9.2.36 より前のバージョン
- Cisco Adaptive Security Appliance (ASA) 9.10.1.7 より前のバージョン

なお、既にサポートが終了している Cisco Adaptive Security Appliance
(ASA) 9.4 系より前のバージョン、9.5 系および 9.7 系も、本脆弱性の影響
を受けるとのことです。該当のバージョンを使用している場合は、サポート対
象のバージョンをご使用ください。

この脆弱性は、該当する製品で Web 管理アクセスが有効な場合にのみ、影響
を受けるとのことです。

この問題は、Cisco Adaptive Security Appliance (ASA) を Cisco が提供す
る修正済みのバージョンに更新することで解決します。詳細は、Cisco が提供
する情報を参照してください。

関連文書 (英語)

Cisco Security Advisory
Cisco Adaptive Security Appliance Software Privilege Escalation Vulnerability
https://tools.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20181219-asa-privesc

【3】東芝ライテック製ホームゲートウェイに複数の脆弱性

情報源

Japan Vulnerability Notes JVN#99810718
東芝ライテック製ホームゲートウェイにおける複数の脆弱性
https://jvn.jp/jp/JVN99810718/

概要

東芝ライテック株式会社が提供するホームゲートウェイには、複数の脆弱性が
あります。結果として、第三者が当該製品を root 権限で操作するなどの可能
性があります。

対象となる製品およびバージョンは次のとおりです。

- 東芝ホームゲートウェイ HEM-GW16A 1.2.9 およびそれ以前
- 東芝ホームゲートウェイ HEM-GW26A 1.2.9 およびそれ以前

この問題は、該当する製品を東芝ライテック株式会社が提供する修正済みのバー
ジョンに更新することで解決します。詳細は、東芝ライテック株式会社が提供
する情報を参照してください。

関連文書 (日本語)

東芝ライテック株式会社
東芝ホームゲートウェイの脆弱性について
https://www.tlt.co.jp/tlt/information/seihin/notice/defect/20181219/20181219.htm

【4】横河電機製 Vnet/IP オープン通信ドライバにサービス運用妨害 (DoS) の脆弱性

情報源

Japan Vulnerability Notes JVNVU#93652047
横河電機製 Vnet/IP オープン通信ドライバにサービス運用妨害 (DoS) の脆弱性
https://jvn.jp/vu/JVNVU93652047/

概要

横河電機株式会社が提供する Vnet/IP オープン通信ドライバには、サービス
運用妨害 (DoS) の脆弱性があります。結果として、遠隔の第三者が Vnet/IP
オープン通信ドライバの通信機能を停止させる可能性があります。

対象となる製品およびバージョンは次のとおりです。

- CENTUM CS 3000 (R3.05.00 から R3.09.50 まで)
- CENTUM CS 3000 Small (R3.05.00 から R3.09.50 まで)
- CENTUM VP (R4.01.00 から R6.03.10 まで)
- CENTUM VP Small (R4.01.00 から R6.03.10 まで)
- CENTUM VP Basic (R4.01.00 から R6.03.10 まで)
- Exaopc (R3.10.00 から R3.75.00 まで)
- PRM (R2.06.00 から R3.31.00 まで)
- ProSafe-RS (R1.02.00 から R4.02.00 まで)
- FAST/TOOLS (R9.02.00 から R10.02.00 まで)
- B/M9000VP (R6.03.01 から R8.01.90 まで)

この問題は、該当する製品を横河電機株式会社が提供する修正済みのバージョン
に更新するか、パッチを適用することで解決します。詳細は、横河電機株式会
社が提供する情報を参照してください。

関連文書 (日本語)

横河電機株式会社
YSAR-18-0008: Vnet/IPオープン通信ドライバにサービス運用妨害(DoS)の脆弱性
https://web-material3.yokogawa.com/YSAR-18-0008-J.jp.pdf

【5】ファイルシステムドライバ Dokan にスタックバッファオーバーフローの脆弱性

情報源

Japan Vulnerability Notes JVNVU#97284298
ファイルシステムドライバ Dokan におけるスタックバッファオーバーフローの脆弱性
https://jvn.jp/vu/JVNVU97284298/

概要

オープンソースのファイルシステムドライバである Dokan には、スタックベー
スのバッファオーバーフローの脆弱性があります。結果として、第三者が権限
を昇格する可能性があります。

対象となるバージョンは次のとおりです。

- Dokan version 1.0.0.5000 から 1.2.0.1000 まで

この問題は、Dokan を開発者が提供する修正済みのバージョンに更新すること
で解決します。詳細は、開発者が提供する情報を参照してください。

関連文書 (英語)

Dokan
Release 1.2.1.1000 - dokan-dev/dokany - GitHub
https://github.com/dokan-dev/dokany/releases/tag/v1.2.1.1000

Dokan
sys - Fix Buffer Overflow by adding mount length path check
https://github.com/dokan-dev/dokany/commit/4954cc0a3299b20274ac64bf52d6c285a1f40b0f

【6】cordova-plugin-ionic-webview にパストラバーサルの脆弱性

情報源

Japan Vulnerability Notes JVN#69812763
cordova-plugin-ionic-webview におけるパストラバーサルの脆弱性
https://jvn.jp/jp/JVN69812763/

概要

Ionic が提供する cordova-plugin-ionic-webview には、パストラバーサルの
脆弱性があります。結果として、遠隔の第三者が、本脆弱性の影響を受ける
cordova-plugin-ionic-webview を使用する iOS アプリケーションを介して、
機微な情報を取得する可能性があります。

対象となるバージョンは次のとおりです。

- cordova-plugin-ionic-webview 2.2.0 より前のバージョン

ただし、開発者によると次のバージョンは影響を受けないとのことです。

- 2.0.0-beta.0
- 2.0.0-beta.1
- 2.0.0-beta.2
- 2.1.0-0

この問題は、Ionic が提供する修正済みの cordova-plugin-ionic-webview を
取り込み、iOS アプリケーションを作成することで解決します。詳細は、
npm, Inc. が提供するアドバイザリを参照してください。

関連文書 (英語)

npm, Inc.
Path Traversal cordova-plugin-ionic-webview
https://www.npmjs.com/advisories/746

ionic-team
Github: ionic-team/cordova-plugin-ionic-webview
https://github.com/ionic-team/cordova-plugin-ionic-webview

【7】PgpoolAdmin にアクセス制限不備の脆弱性

情報源

Japan Vulnerability Notes JVN#13199224
PgpoolAdmin におけるアクセス制限不備の脆弱性
https://jvn.jp/jp/JVN13199224/

概要

PgPool Global Development Group が提供する PgpoolAdmin には、アクセス
制限不備の脆弱性があります。結果として、当該製品にアクセス可能な第三者
が、ログイン認証を回避し、PostgreSQL データベースの管理者権限を取得す
る可能性があります。

対象となるバージョンは次のとおりです。

- PgpoolAdmin 4.0 およびそれ以前

この問題は、該当する製品を PgPool Global Development Group が提供する
修正済みのバージョンに更新することで解決します。詳細は、PgPool Global
Development Group が提供する情報を参照してください。

関連文書 (日本語)

PgPool Global Development Group
pgpool Wiki
https://pgpool.net/jp/

【8】MsiAdvertiseProduct に権限昇格の脆弱性

情報源

CERT/CC Vulnerability Note VU#228297
Microsoft Windows MsiAdvertiseProduct function vulnerable to privilege escalation via race condition
https://kb.cert.org/vuls/id/228297/

Japan Vulnerability Notes JVNVU#92357871
MsiAdvertiseProduct における権限昇格の脆弱性
https://jvn.jp/vu/JVNVU92357871/

概要

Microsoft が提供する MsiAdvertiseProduct には、競合状態に起因する権限
昇格の脆弱性があります。結果として、本脆弱性の影響を受ける製品にログイ
ン可能な第三者が ACL で保護されているファイルを読み取る可能性があります。

対象となる製品は次のとおりです。

- Microsoft Windows

2018年12月26日現在、この問題に対する解決策は提供されていません。
Microsoft からの情報に注意し、対策済みのバージョンが公開された場合は速
やかに適用することをおすすめします。

■今週のひとくちメモ

○JPCERT/CC が「2017年度 CSIRT構築および運用における実態調査」を公開

2018年12月18日(火)、JPCERT/CC は「2017年度 CSIRT構築および運用における
実態調査」に関する報告書を公開しました。この報告書は、日本シーサート協
議会(NCA)の協力のもと、NCA に加盟している CSIRT を対象に、アンケート
形式による CSIRT 構築および運用における実態調査を実施し、その調査結果
に対する分析をまとめたものです。

新たに CSIRT を構築しようとしている方々だけではなく、既に CSIRT を運用
している組織においても、次の段階に向けた検討、活動の改善の参考資料とし
てご活用ください。 

参考文献 (日本語)

JPCERT/CC
CSIRT構築および運用における実態調査
https://www.jpcert.or.jp/research/CSIRT-survey.html

■JPCERT/CC からのお願い

  • 本レポートに関するお問い合わせは editor@jpcert.or.jp 宛 にお願い致します。ただし、JPCERT/CC では、提供する情報について具体的な内容そのものについてのご質問にはお答えできない場合もあります。またバックナンバーは、以下の URL からご利用いただけます。
    https://www.jpcert.or.jp/wr/
  • 本メーリングリストの購読申込や購読停止、また登録した電子メールアドレスの変更などにつきましては、以下の URL を参照してください。
    https://www.jpcert.or.jp/announce.html
  • JPCERT/CC へのセキュリティインシデントの報告方法については以下の URL を参照してください。
    https://www.jpcert.or.jp/form/

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