JPCERT コーディネーションセンター

Weekly Report 2012-05-09号

JPCERT-WR-2012-1701
JPCERT/CC
2012-05-09

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■04/22(日)〜05/05(土) のセキュリティ関連情報

目 次

【1】Adobe Flash Player に脆弱性

【2】複数のジャストシステム製品に脆弱性

【3】PHP-CGI の query string 処理に脆弱性

【4】Oracle データベース TNS リスナーに脆弱性

【5】spモードメールアプリの SSL サーバ証明書検証機能に脆弱性

【6】Ruby の Mail Gem に複数の脆弱性

【7】Drupal に複数の脆弱性

【8】OSQA にクロスサイトスクリプティングの脆弱性

【今週のひとくちメモ】Java SE 7u4/6u32 のリリースと EOL

※紹介するセキュリティ関連情報の選定基準は以下のページをご覧ください。
https://www.jpcert.or.jp/wr/

※PGP署名付きテキスト版および XML 版は以下のページをご覧ください。
https://www.jpcert.or.jp/wr/2012/wr121701.txt
https://www.jpcert.or.jp/wr/2012/wr121701.xml

【1】Adobe Flash Player に脆弱性

情報源

US-CERT Current Activity Archive
Adobe Releases Security Advisory for Adobe Flash Player
http://www.us-cert.gov/current/archive/2012/05/04/archive.html#adobe_releases_security_advisory_for14

概要

Adobe Flash Player には脆弱性があります。結果として、遠隔の第三者がサー
ビス運用妨害 (DoS) 攻撃を行ったり、任意のコードを実行したりする可能性が
あります。なお、Adobe によると、本脆弱性を使用した攻撃活動が確認されて
いるとのことです。

対象となるバージョンは以下の通りです。

- Adobe Flash Player 11.2.202.233 およびそれ以前 (Windows、Macintosh、
  Linux)
- Adobe Flash Player 11.1.115.7 およびそれ以前 (Android 4.x)
- Adobe Flash Player 11.1.111.8 およびそれ以前 (Android 3.x、2.x)

この問題は、Adobe が提供する修正済みのバージョンに更新することで解決し
ます。

関連文書 (日本語)

Adobe
APSB12-09: Adobe Flash Player に関するセキュリティアップデート公開
http://kb2.adobe.com/jp/cps/936/cpsid_93612.html

JPCERT/CC Alert 2012-05-07 JPCERT-AT-2012-0014
Adobe Flash Player の脆弱性 (APSB12-09) に関する注意喚起
https://www.jpcert.or.jp/at/2012/at120014.html

関連文書 (英語)

Adobe Security Bulletins APSB12-09
Security update available for Adobe Flash Player
http://www.adobe.com/support/security/bulletins/apsb12-09.html

【2】複数のジャストシステム製品に脆弱性

情報源

Japan Vulnerability Notes JVN#95378720
複数のジャストシステム製品における DLL 読み込みに関する脆弱性
https://jvn.jp/jp/JVN95378720/index.html

Japan Vulnerability Notes JVN#09619876
複数のジャストシステム製品におけるバッファオーバーフローの脆弱性
https://jvn.jp/jp/JVN09619876/index.html

概要

株式会社ジャストシステムの提供する複数の製品には、脆弱性が存在します。
結果として、遠隔の第三者が任意のコードを実行する可能性があります。

この問題は、ジャストシステムが提供する更新プログラムを適用することで解
決します。詳細については、ジャストシステムが提供する情報を参照して下さ
い。

関連文書 (日本語)

株式会社ジャストシステム
[JS12001] 一太郎・Shurikenの脆弱性を悪用した不正なプログラムの実行危険性について
http://www.justsystems.com/jp/info/js12001.html

独立行政法人情報処理推進機構 セキュリティセンター
複数のジャストシステム製品におけるセキュリティ上の弱点(脆弱性)の注意喚起
https://www.ipa.go.jp/about/press/20120424.html

@police
ジャストシステム社製品の脆弱性について
http://www.npa.go.jp/cyberpolice/topics/?seq=9288

【3】PHP-CGI の query string 処理に脆弱性

情報源

US-CERT Vulnerability Note VU#520827
PHP-CGI query string parameter vulnerability
http://www.kb.cert.org/vuls/id/520827

概要

PHP には、CGI として使用される設定において query string をコマンドライ
ンオプションとして認識してしまう脆弱性が存在します。結果として、遠隔の
第三者が php スクリプトの内容を取得したり、サービス運用妨害 (DoS) 攻撃
を行ったり、ウェブサーバの権限で任意のコードを実行したりする可能性があ
ります。

対象となるバージョンは以下の通りです。

- PHP version 5.4.3 より前のバージョン
- PHP version 5.3.13 より前のバージョン

この問題は、開発者が提供する修正済みのバージョンに更新することで解決し
ます。

関連文書 (日本語)

Japan Vulnerability Notes JVNVU#520827
PHP-CGI の query string の処理に脆弱性
https://jvn.jp/cert/JVNVU520827/index.html

関連文書 (英語)

PHP News Archive - 2012
PHP 5.3.12 and 5.4.2 and the CGI flaw (CVE-2012-1823)
http://www.php.net/archive/2012.php#id2012-05-06-1

【4】Oracle データベース TNS リスナーに脆弱性

情報源

US-CERT Vulnerability Note VU#359816
Oracle database TNS listener vulnerability
http://www.kb.cert.org/vuls/id/359816

概要

Oracle データベースコンポーネントの TNS リスナーには、脆弱性があります。
結果として、遠隔の第三者が中間者攻撃を行う可能性があります。

対象となるバージョンは以下の通りです。

- Oracle Database 11g Release 2、バージョン 11.2.0.2、11.2.0.3
- Oracle Database 11g Release 1、バージョン 11.1.0.7
- Oracle Database 10g Release 2、バージョン 10.2.0.3、10.2.0.4、10.2.0.5

2012年5月8日現在、対策済みバージョンは提供されていません。以下の回避策
を適用することで、本脆弱性の影響を軽減することが可能です。

- COST (Class of Secure Transport) を利用してインスタンスの登録を制限する

詳細については Oracle が提供する情報を参照して下さい。

関連文書 (日本語)

Japan Vulnerability Notes JVNVU#359816
Oracle データベース TNS リスナーに脆弱性(緊急)
https://jvn.jp/cert/JVNVU359816/index.html

関連文書 (英語)

Oracle Technology Network
Oracle Security Alert for CVE-2012-1675
http://www.oracle.com/technetwork/topics/security/alert-cve-2012-1675-1608180.html

Oracle Technology Network
Oracle Critical Patch Update Advisory - April 2012
http://www.oracle.com/technetwork/topics/security/cpuapr2012-366314.html

【5】spモードメールアプリの SSL サーバ証明書検証機能に脆弱性

情報源

Japan Vulnerability Notes JVN#82029095
spモードメールアプリにおける SSL サーバ証明書の検証不備の脆弱性
https://jvn.jp/jp/JVN82029095/index.html

概要

spモードメールアプリの SSL 証明書検証機能には、脆弱性があります。結果と
して、遠隔の第三者が通信内容を傍受する可能性があります。

対象となるバージョンは以下の通りです。

- spモードメールアプリ バージョン5400 およびそれ以前

この問題は、NTTドコモが提供する修正済みのバージョンに更新することで解決
します。

関連文書 (日本語)

脆弱性対策情報データベース
「spモードメールアプリ」における SSL サーバ証明書の検証不備の脆弱性
http://jvndb.jvn.jp/ja/contents/2012/JVNDB-2012-000037.html

Google Play
spモードメール
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.nttdocomo.carriermail

【6】Ruby の Mail Gem に複数の脆弱性

情報源

JC3-CIRC Technical Bulletin U-157
Ruby Mail Gem Directory Traversal and Shell Command Injection Vulnerabilities
http://circ.jc3.doe.gov/bulletins/U-157.shtml

概要

Ruby の Mail Gem には、複数の脆弱性があります。結果として、遠隔の第三者
が任意のコードを実行する可能性があります。

対象となるバージョンは以下の通りです。

- Mail gem for Ruby 2.4.4 より前のバージョン

この問題は、開発者が提供する修正済みのバージョン (2.4.4) にアップデート
することで解決します。

関連文書 (英語)

RubyGems.org
mail
http://rubygems.org/gems/mail/

【7】Drupal に複数の脆弱性

情報源

JC3-CIRC Technical Bulletin U-162
Drupal Multiple Vulnerabilities
http://circ.jc3.doe.gov/bulletins/u-162.shtml

概要

Drupal には複数の脆弱性があります。結果として、遠隔の第三者がサービス運
用妨害 (DoS) 攻撃を行ったり、アクセス制限を回避して非公開のコンテンツに
アクセスしたりする可能性があります。

対象となるバージョンは以下の通りです。

- Drupal バージョン 7.13 より前のバージョン

この問題は、開発者が提供する修正済みのバージョン (Drupal 7.13) に更新す
ることで解決します。

関連文書 (英語)

Drupal Security Advisories
SA-CORE-2012-002 - Drupal core multiple vulnerabilities
http://drupal.org/node/1557938

【8】OSQA にクロスサイトスクリプティングの脆弱性

情報源

Japan Vulnerability Notes JVN#15503729
OSQA におけるクロスサイトスクリプティングの脆弱性
https://jvn.jp/jp/JVN15503729/index.html

概要

OSQA には、クロスサイトスクリプティングの脆弱性があります。結果として、
遠隔の第三者が、ユーザのブラウザ上で任意のスクリプトを実行する可能性が
あります。

対象となるバージョンは以下の通りです。

- OSQA trunk revision 1234 より前のバージョン
- OSQA バージョン 0.9.0 (Fantasy Island) Beta 3 およびそれ以前

この問題は、開発者が提供する更新プログラムを適用することで解決します。

関連文書 (英語)

THE OPEN SOURCE Q&A SYSTEM
http://www.osqa.net/

■今週のひとくちメモ

○Java SE 7u4/6u32 のリリースと EOL

2012年4月26日、Oracle から Java SE 7 および Java SE 6 のアップデートが
公開されました。今回のアップデートには脆弱性の修正は含まれていません。
Java SE 7 では、G1 (Garbage-First) ガベージコレクタの導入を含む性能向上
や、Mac OS X 版の Java SE Development Kit 7 の公開が行われています。

また、Java SE 6 は、2012年11月で EOL となる予定であることがアナウンス
されています。この機会に自社システムで使われている Java のバージョンを
確認し、今後のメンテナンス計画を検討することをおすすめします。

参考文献 (英語)

Oracle Press Release
Oracle Releases Java SE 7 Update 4 and JavaFX 2.1
http://www.oracle.com/us/corporate/press/1603497

Oracle Technology Network
Java SE 7 Update 4 Release Notes
http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/7u4-relnotes-1575007.html

Oracle Technology Network
Java SE 6 Update 32 Release Notes
http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/6u32-relnotes-1578471.html

Oracle Technology Network
Java SE EOL Policy: Java SE 6 End of Life (EOL) Notice
http://www.oracle.com/technetwork/java/eol-135779.html#Interfaces

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