JPCERT コーディネーションセンター

Weekly Report 2010-07-22号

JPCERT-WR-2010-2701
JPCERT/CC
2010-07-22

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■07/11(日)〜07/17(土) のセキュリティ関連情報

目 次

【1】2010年7月 Microsoft セキュリティ情報について

【2】Microsoft Windows のショートカットファイルの処理に脆弱性

【3】2010年7月 Oracle Critical Patch Update について

【4】ISC BIND 9.7.1 および 9.7.1-P1 の RRSIG レコード処理に脆弱性

【5】ISC DHCP サーバに脆弱性

【6】Cisco Industrial Ethernet 3000 シリーズに SNMP Community String がハードコードされている問題

【7】C/C++ セキュアコーディングセミナー 2010 @東京 参加者募集中

【今週のひとくちメモ】夏休みを控えて:引き続き Web 改ざんに注意

※紹介するセキュリティ関連情報の選定基準は以下のページをご覧ください。
https://www.jpcert.or.jp/wr/

※PGP署名付きテキスト版および XML 版は以下のページをご覧ください。
https://www.jpcert.or.jp/wr/2010/wr102701.txt
https://www.jpcert.or.jp/wr/2010/wr102701.xml

【1】2010年7月 Microsoft セキュリティ情報について

情報源

US-CERT Technical Cyber Security Alert TA10-194A
Microsoft Updates for Multiple Vulnerabilities
http://www.us-cert.gov/cas/techalerts/TA10-194A.html

US-CERT Cyber Security Alert SA10-194A
Microsoft Updates for Multiple Vulnerabilities
http://www.us-cert.gov/cas/alerts/SA10-194A.html

概要

Microsoft Windows、Office などの製品および関連コンポーネントには、
複数の脆弱性があります。結果として、遠隔の第三者が任意のコードを
実行したり、サービス運用妨害 (DoS) 攻撃を行ったりする可能性があ
ります。

この問題は、Microsoft Update などを用いて、セキュリティ更新プロ
グラムを適用することで解決します。なお、セキュリティ更新プログラ
ムには、2010-05-26号【2】「マイクロソフトの Canonical Display 
Driver に脆弱性」および 2010-06-16号【2】「Microsoft Windows Help 
and Support Center に脆弱性」で紹介した問題に対する解決策も含ま
れています。

関連文書 (日本語)

2010 年 7 月のセキュリティ情報
http://www.microsoft.com/japan/technet/security/bulletin/ms10-jul.mspx

Japan Vulnerability Notes JVNTA10-194A
Microsoft 製品における複数の脆弱性に対するアップデート
https://jvn.jp/cert/JVNTA10-194A/index.html

@police
マイクロソフト社のセキュリティ修正プログラムについて(MS10-042,043,044,045)
https://www.npa.go.jp/cyberpolice/topics/?seq=4026

JPCERT/CC Alert 2010-07-14 JPCERT-AT-2010-0018
2010年7月 Microsoft セキュリティ情報 (緊急 3件含) に関する注意喚起
https://www.jpcert.or.jp/at/2010/at100018.txt

JPCERT/CC WEEKLY REPORT 2010-05-26号
【2】マイクロソフトの Canonical Display Driver に脆弱性
https://www.jpcert.or.jp/wr/2010/wr101901.html#2

JPCERT/CC WEEKLY REPORT 2010-06-16号
【2】Microsoft Windows Help and Support Center に脆弱性
https://www.jpcert.or.jp/wr/2010/wr102201.html#2

【2】Microsoft Windows のショートカットファイルの処理に脆弱性

情報源

US-CERT Vulnerability Note VU#940193
Microsoft Windows automatically executes code specified in shortcut files
http://www.kb.cert.org/vuls/id/940193

概要

Microsoft Windows には、ショートカットファイルの処理に起因する脆
弱性があります。結果として、遠隔の第三者が細工したショートカット 
ファイルを Windows Explorer 上などで表示させることで、ユーザの権
限で任意のコードを実行する可能性があります。なお、本脆弱性を使用
した攻撃活動が確認されています。

対象となるプラットフォームは以下の通りです。

- Microsoft Windows

2010年7月21日現在、この問題に対する解決策は提供されていません。
回避策としては、ショートカット用アイコンの表示を無効にする、
WebClient サービスを無効にするなどの方法があります。詳細について
は、マイクロソフトが提供する情報を参照してください。

関連文書 (日本語)

マイクロソフト セキュリティ アドバイザリ (2286198)
Windows シェルの脆弱性により、リモートでコードが実行される
http://www.microsoft.com/japan/technet/security/advisory/2286198.mspx

Japan Vulnerability Notes JVNVU#940193
Microsoft Windows のショートカットファイルの処理に脆弱性
https://jvn.jp/cert/JVNVU940193/index.html

【3】2010年7月 Oracle Critical Patch Update について

情報源

US-CERT Technical Cyber Security Alert TA10-103B
Oracle Updates for Multiple Vulnerabilities
http://www.us-cert.gov/cas/techalerts/TA10-103B.html

DOE-CIRC Technical Bulletin T-395
Oracle Secure Backup Scheduler Service Remote Code Execution Vulnerability
http://www.doecirc.energy.gov/bulletins/t-395.shtml

概要

Oracle から複数の製品およびコンポーネントに含まれる脆弱性に対応
した Oracle Critical Patch Update Advisory - July 2010 が公開さ
れました。なお、Solaris の脆弱性に対応したアップデートも含まれて
います。

詳細については Oracle が提供する情報を参照してください。

なお、次回の Oracle Critical Patch Update は、2010年10月にリリー
スされる予定です。

関連文書 (日本語)

Oracle Technology Network
セキュリティアラート
http://www.oracle.com/technology/global/jp/deploy/security/alerts.htm

Oracle internet Support Center
[CPUJul2010] Oracle Critical Patch Update Advisory - July 2010
http://support.oracle.co.jp/krown_external/oisc_showDoc.do?id=144908

Oracle Technology Network
Critical Patch Update - July 2010
http://www.oracle.com/technology/global/jp/security/100716_91/top.html

Japan Vulnerability Notes JVNTA10-194B
Oracle 製品における複数の脆弱性に対するアップデート
https://jvn.jp/cert/JVNTA10-194B/index.html

関連文書 (英語)

The Oracle Global Product Security Blog
July 2010 Critical Patch Update Released
http://blogs.oracle.com/security/2010/07/july_2010_critical_patch_updat.html

【4】ISC BIND 9.7.1 および 9.7.1-P1 の RRSIG レコード処理に脆弱性

情報源

ISC
RRSIG query handling bug in BIND 9.7.1
https://www.isc.org/software/bind/advisories/cve-2010-0213

概要

ISC BIND 9.7.1 および 9.7.1-P1 の RRSIG レコードの処理には脆弱性
があります。結果として、DNSSEC の信頼の連鎖が構築された任意のゾー
ンの権威 DNS サーバに対して、遠隔の第三者がサービス運用妨害
(DoS) 攻撃を行う可能性があります。

対象となるバージョンは以下の通りです。

- ISC BIND 9.7.1 および 9.7.1-P1

この問題は、使用している OS のベンダや配布元が提供する修正済みの
バージョンに BIND を更新することで解決します。詳細については、ベ
ンダや配布元が提供する情報を参照してください。

関連文書 (日本語)

株式会社日本レジストリサービス
(緊急)BIND 9.7.1/9.7.1-P1におけるRRSIGレコード処理の不具合について
http://jprs.jp/tech/security/bind971-vuln-rrsig.html

【5】ISC DHCP サーバに脆弱性

情報源

US-CERT Vulnerability Note VU#541921
ISC DHCP server fails to handle zero-length client identifier
http://www.kb.cert.org/vuls/id/541921

概要

ISC DHCP サーバには、リクエストの処理に起因する脆弱性があります。
結果として、遠隔の第三者が細工したリクエストを処理させることでサー
ビス運用妨害 (DoS) 攻撃を行う可能性があります。

対象となるバージョンは以下の通りです。

- ISC DHCP バージョン 4.0.x、4.1.x および 4.2.x

この問題は、使用している OS のベンダや配布元が提供する修正済みの
バージョンに ISC DHCP サーバを更新することで解決します。詳細につ
いては、各ベンダや配布元が提供する情報を参照してください。

関連文書 (日本語)

Japan Vulnerability Notes JVNVU#541921
ISC DHCP にサービス運用妨害 (DoS) の脆弱性
https://jvn.jp/cert/JVNVU541921/index.html

関連文書 (英語)

Internet Systems Consortium
DHCP: Fencepost error on zero-length client identifier
http://www.isc.org/software/dhcp/advisories/cve-2010-2156

Internet Systems Consortium DHCP Distribution
Version 4.0.2-P1 Release Notes
http://ftp.isc.org/isc/dhcp/dhcp-4.0.2-P1-RELNOTES

Internet Systems Consortium DHCP Distribution
Version 4.1.1-P1 Release Notes
http://ftp.isc.org/isc/dhcp/dhcp-4.1.1-P1-RELNOTES

Internet Systems Consortium DHCP Distribution
Version 4.2.0
http://www.isc.org/files/release-notes/DHCP4.2.0.txt

【6】Cisco Industrial Ethernet 3000 シリーズに SNMP Community String がハードコードされている問題

情報源

US-CERT Vulnerability Note VU#732671
Cisco Industrial Ethernet 3000 Series switches have hardcoded SNMP community strings
http://www.kb.cert.org/vuls/id/732671

DOE-CIRC Technical Bulletin T-392
Cisco Security Advisory: Hard-Coded SNMP Community Names in Cisco Industrial Ethernet 3000 Series Switches Vulnerability
http://www.doecirc.energy.gov/bulletins/t-392.shtml

概要

Cisco Industrial Ethernet 3000 シリーズは、SNMP Community String 
がハードコードされている脆弱性があります。SNMP Community String 
を工場出荷時の設定から変更していない場合、遠隔の第三者が Cisco
Industrial Ethernet 3000 シリーズ製品の設定を変更する可能性があ
ります。

対象となる製品およびバージョンは以下の通りです。

- Cisco IOS Software リリース 12.2(52)SE または 12.2(52)SE1 を使
  用している Cisco Industrial Ethernet 3000 シリーズ

この問題は、Cisco が提供する修正済みのバージョンに Cisco IOS を
更新することで解決します。詳細については、Cisco が提供する情報を
参照してください。なお、Cisco によると、修正版となる Cisco IOS
リリース 12.2(55)SE は、2010年8月にリリースされる予定です。 

関連文書 (日本語)

Cisco Security Advisory 111895
Hard-Coded SNMP Community Names in Cisco Industrial Ethernet 3000 Series Switches Vulnerability
http://www.cisco.com/JP/support/public/ht/security/109/1090134/cisco-sa-20100707-snmp-j.shtml

Japan Vulnerability Notes JVNVU#732671
Cisco Industrial Ethernet 3000 シリーズに SNMP Community String がハードコードされている問題
https://jvn.jp/cert/JVNVU732671/index.html

関連文書 (英語)

Cisco Security Advisory 111895
Hard-Coded SNMP Community Names in Cisco Industrial Ethernet 3000 Series Switches Vulnerability
http://www.cisco.com/en/US/products/products_security_advisory09186a0080b3891f.shtml

【7】C/C++ セキュアコーディングセミナー 2010 @東京 参加者募集中

情報源

JPCERT/CC
C/C++ セキュアコーディングセミナー 2010 @東京 のご案内
https://www.jpcert.or.jp/event/securecoding-TKO-seminar.html

概要

JPCERT コーディネーションセンターは、C/C++ 言語で脆弱性を含まな
い安全なプログラムをコーディングする具体的なテクニックとノウハウ
を学んでいただく「C/C++ セキュアコーディングセミナー」を開催して
います。

8月からは東京を会場に、毎月一回、午後半日のセミナーを開催します。
毎回ひとつのトピックをとりあげ、講義と演習という形で、セキュアコー
ディングを学んでいただきます。

第一回 (8月5日) の「文字列」、第二回 (9月15日) の「整数」につい
て、参加申し込みを受け付けています。ふるってご参加ください。

  [日時] part1 <文字列> 2010年8月5日(木)
         13:30 -       受付開始
         14:00 - 16:00 文字列
         16:15 - 18:15 演習 (文字列)

         part2 <整数> 2010年9月15日(水)
         13:00 -        受付開始
         13:30 - 16:00  整数
         16:15 - 18:15  演習 (整数)

  [会場] 株式会社インターネットイニシアティブ大会議室1
         東京都千代田区神田神保町1-105 神保町三井ビルディング 17階
         (MAP) https://www.jpcert.or.jp/event/img/seminar_map.gif

  [定員] 70名/回
          (参加者多数の場合はお申し込み先着順となります)

  [対象] C/C++言語でのソフトウェア開発に携わるプログラマ、プロ
          ジェクトマネージャ、コードレビュアー、品質管理担当者、
          プログラマ・エンジニアの教育担当者、等

関連文書 (日本語)

JPCERT/CC
C/C++ セキュアコーディングセミナー 2010 @ 東京 お申し込み
https://www.jpcert.or.jp/event/securecoding-TKO-application.html

■今週のひとくちメモ

○夏休みを控えて:引き続き Web 改ざんに注意

いわゆる Gumblar や SQL インジェクションなどによる悪意あるスクリ
プトを埋め込む Web 改ざんの被害の報告が、JPCERT/CC に引き続き多数
寄せられています。Web 更新担当者やシステム管理者の休暇中に、Web 
サイト改ざんなどの攻撃にあった場合、対応が遅れ被害が拡大する可能
性があります。
 
予防策を実施するとともに、万一被害にあった場合に備え、運用体制や
対応手順について、休暇前に確認しておくことをおすすめします。

参考文献 (日本語)

JPCERT/CC
JPCERT/CC インシデント報告対応レポート [ 2010年4月1日〜2010年6月30日 ]
https://www.jpcert.or.jp/pr/2010/IR_Report20100707.pdf

■JPCERT/CC からのお願い

  • 本レポートに関するお問い合わせは editor@jpcert.or.jp 宛 にお願い致します。ただし、JPCERT/CC では、提供する情報について具体的な内容そのものについてのご質問にはお答えできない場合もあります。またバックナンバーは、以下の URL からご利用いただけます。
    https://www.jpcert.or.jp/wr/
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    https://www.jpcert.or.jp/announce.html
  • JPCERT/CC へのセキュリティインシデントの報告方法については以下の URLを参照してください。
    https://www.jpcert.or.jp/form/

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