JPCERT コーディネーションセンター

Weekly Report 2009-12-02号

JPCERT-WR-2009-4601
JPCERT/CC
2009-12-02

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■11/22(日)〜11/28(土) のセキュリティ関連情報

目 次

【1】ISC BIND 9 に脆弱性

【2】Opera ブラウザに複数の脆弱性

【3】制御システムセキュリティに関するドキュメントを 2本公開

【今週のひとくちメモ】 .com および .net の DNSSEC 導入予定

※紹介するセキュリティ関連情報の選定基準は以下のページをご覧ください。
https://www.jpcert.or.jp/wr/

※PGP署名付きテキスト版および XML 版は以下のページをご覧ください。
https://www.jpcert.or.jp/wr/2009/wr094601.txt
https://www.jpcert.or.jp/wr/2009/wr094601.xml

【1】ISC BIND 9 に脆弱性

情報源

Internet Systems Consortium
BIND 9 Cache Update from Additional Section
https://www.isc.org/node/504

概要

ISC BIND 9 には、DNSSEC 検証処理に起因する脆弱性があります。結果
として、DNSSEC 検証を有効にしている場合に、遠隔の第三者が細工し
たクエリを処理させることで、キャッシュポイズニング攻撃を行う可能
性があります。なお、BIND 9.5 以降では DNSSEC 検証機能が標準で有
効に設定されています。

対象となるバージョンは以下の通りです。

- BIND 9 全てのバージョン

ISC はこの問題への修正版として以下のバージョンを公開しています。

- BIND 9.4.3-P4
- BIND 9.5.2-P1
- BIND 9.6.1-P2

この問題は、使用している OS のベンダや配布元が提供する修正済みの
バージョンに BIND 9 を更新することで解決します。詳細については、
ベンダや配布元が提供する情報を参照してください。

関連文書 (日本語)

日本レジストリサービス
BIND 9の脆弱性を利用したキャッシュポイズニング攻撃について
http://jprs.jp/tech/security/bind9-vuln-cache-poisoning.html

関連文書 (英語)

Internet Systems Consortium
Downloads - BIND
https://www.isc.org/downloadables/11

【2】Opera ブラウザに複数の脆弱性

情報源

Opera Software
Opera 10.10 (Opera Unite) for Windows 更新履歴
http://www.opera.com/docs/changelogs/windows/1010/

概要

Opera ブラウザには、複数の脆弱性があります。結果として、遠隔の第
三者が機密情報を取得したり、任意のコードを実行したり、サービス運
用妨害 (DoS) 攻撃を行ったりする可能性があります。

対象となるバージョンは以下の通りです。

- Opera 10.10 より前のバージョン

この問題は、Opera が提供する修正済みのバージョンに Opera ブラウ
ザを更新することで解決します。

関連文書 (英語)

Opera Software Advisory
Error messages can leak onto unrelated sites
http://www.opera.com/support/kb/view/941/

Opera Software Advisory
Heap buffer overflow in string to number conversion
http://www.opera.com/support/kb/view/942/

【3】制御システムセキュリティに関するドキュメントを 2本公開

情報源

JPCERT/CC
制御システムセキュリティガイドライン、標準、及び認証への取り組みに関する分析
https://www.jpcert.or.jp/ics/document.html#guideline

JPCERT/CC
重要社会インフラのためのプロセス制御システム (PCS) のセキュリティ強化ガイド
https://www.jpcert.or.jp/ics/information02.html#PCSSecGuide

概要

JPCERT/CC では、11月24日に制御システムのセキュリティに関するドキュ
メント 2本を公開しました。

ひとつめは、制御システムのセキュリティに対する米国における取組み
状況を日本国内の関係者に紹介するため、Digital Bond 社の調査資料
をもとに、重要な制御システムのセキュリティガイドライン、標準及び
認証への取組み、それぞれの取組みによって最も影響を受けるセクター
及び地理的地域、取組みの動向などについてまとめたものです。


ふたつめは、プロセス制御システム (PCS: Process Control System) 
のセキュリティに関する意識向上を意図して、SEMA (スウェーデン緊急
管理庁) によりスウェーデン語で作成された文書の英訳版を JPCERT/CC 
が邦訳したものです。ヨーロッパの産官学の各界が、さまざまな共通課
題に共同で取り組めるよう、また、必要に応じて集中的な取り組みとリ
ソースの共有を行えるよう、制御系に特化したセキュリティに対する推
奨事項が実例とともに分かりやすく述べられています。

■今週のひとくちメモ

○ .com および .net の DNSSEC 導入予定

.com および .net のレジストリ業務を行なっている Verisign 社は、
2009年11月16日のプレスリリースにて、2011年第一四半期には .com お
よび .net TLD への DNSSEC 導入を完了するべく、作業を進めているこ
とを発表しました。

ICANN では 2010年7月に root ゾーンへの DNSSEC 対応を完了する予定
です。また、日本では JPRS が .jp ドメインへの DNSSEC 導入を 2010 
年中を目処に進めています。

今後 2、3年以内には本格的に DNSSEC によるドメイン情報の検証を行
う環境が整ってくることが期待されます。DNSSEC 導入に伴う影響や、
運用しているネームサーバの DNSSEC 対応計画について、調査・検討を
始めることをお勧めします。

参考文献 (日本語)

JPRS
JP ドメイン名サービスへの DNSSEC の導入予定について
http://jprs.jp/info/notice/20090709-dnssec.html

参考文献 (英語)

Verisign
VeriSign Announces DNSSEC Deployment Support Plans to Enhance Internet Security
https://press.verisign.com/easyir/customrel.do?easyirid=AFC0FF0DB5C560D3&version=live&prid=558203&releasejsp=custom_97

ICANN 36 SEOUL
Workshop - DNSSEC
http://sel.icann.org/node/7089

■JPCERT/CC からのお願い

  • 本レポートに関するお問い合わせは editor@jpcert.or.jp 宛 にお願い致します。ただし、JPCERT/CC では、提供する情報について具体的な内容そのものについてのご質問にはお答えできない場合もあります。またバックナンバーは、以下の URL からご利用いただけます。
    https://www.jpcert.or.jp/wr/
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    https://www.jpcert.or.jp/form/

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