JPCERT コーディネーションセンター

Weekly Report 2008-01-23号

JPCERT-WR-2008-0301
JPCERT/CC
2008-01-23

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■01/13(日)〜01/19(土) のセキュリティ関連情報

目 次

【1】Apple QuickTime に複数の脆弱性

【2】2008年1月 Oracle Critical Patch Update について

【3】複数のデバイスに UPnP に起因する脆弱性

【4】Linux カーネルの VFS に脆弱性

【5】apt-listchanges に脆弱性

【6】「X Font Server に整数オーバーフローの脆弱性」に関する追加情報

【今週のひとくちメモ】Internet Explorer 7 の自動更新による配布

※紹介するセキュリティ関連情報の選定基準は以下のページをご覧ください。
https://www.jpcert.or.jp/wr/

※PGP署名付きテキスト版および XML 版は以下のページをご覧ください。
https://www.jpcert.or.jp/wr/2008/wr080301.txt
https://www.jpcert.or.jp/wr/2008/wr080301.xml

【1】Apple QuickTime に複数の脆弱性

情報源

US-CERT Technical Cyber Security Alert TA08-016A
Apple QuickTime Updates for Multiple Vulnerabilities
http://www.us-cert.gov/cas/techalerts/TA08-016A.html

US-CERT Cyber Security Alert SA08-016A
Apple QuickTime Updates for Multiple Vulnerabilities
http://www.us-cert.gov/cas/alerts/SA08-016A.html

概要

Apple QuickTime には、複数の脆弱性があります。結果として、遠隔の
第三者が細工した HTML 文書を閲覧させることで、任意のコードを実行
したり、サービス運用妨害 (DoS) 攻撃を行ったりする可能性がありま
す。

対象となる製品は以下の通りです。

- Apple Mac OS X 版 QuickTime 7.4 より前のバージョン
- Microsoft Windows 版 QuickTime 7.4 より前のバージョン 

なお、iTunes など QuickTime を使用するソフトウェアをインストール
している場合も影響を受けます。詳細については、Apple が提供する情
報を参照してください。

この問題は、Apple が提供する修正済みのバージョン 7.4 に、
QuickTime を更新することで解決します。なお、JPCERT/CC REPORT
2008-01-17号【2】で紹介した脆弱性に関して Apple からは言及されて
いません。

関連文書 (日本語)

Japan Vulnerability Notes JVNTA08-016A
Apple Quicktime における複数の脆弱性に対するアップデート
http://jvn.jp/cert/JVNTA08-016A/index.html

@police
QuickTime の脆弱性について(1/17)
http://www.cyberpolice.go.jp/important/2008/20080117_135357.html

JPCERT/CC REPORT 2008-01-17
Apple QuickTime RTSP の Response message の処理にバッファオーバーフローの脆弱性
http://www.jpcert.or.jp/wr/2008/wr080201.html#2

関連文書 (英語)

Apple - Support
About the security content of QuickTime 7.4
http://docs.info.apple.com/article.html?artnum=307301

【2】2008年1月 Oracle Critical Patch Update について

情報源

US-CERT Technical Cyber Security Alert TA08-017A
Oracle Updates for Multiple Vulnerabilities
http://www.us-cert.gov/cas/techalerts/TA08-017A.html

CIAC Bulletin S-117
Oracle Critical Patch Update - January 2008
http://www.ciac.org/ciac/bulletins/s-117.shtml

概要

Oracle 製品およびそのコンポーネントには、複数の脆弱性が存在しま
す。結果として、遠隔の第三者が任意のコードを実行したり、機密情報
を取得したり、サービス運用妨害 (DoS) 攻撃を行ったりする可能性が
あります。なお、これらの影響は対象製品やコンポーネント、設定等に
より異なります。

詳細については Oracle が提供する情報を参照してください。

この問題は、Oracle が提供するパッチを該当する製品に適用すること
で解決します。

なお、次回の Oracle Critical Patch Update は、2008年4月にリリー
スされる予定です。

関連文書 (日本語)

Oracle internet Support Center
[CPUJan2008] Critical Patch Update - January 2008
http://support.oracle.co.jp/krown_external/oisc_showDoc.do?id=127343

Oracle Technology Network
Critical Patch Update - January 2008
http://otn.oracle.co.jp/security/080118_81/top.html

Japan Vulnerability Notes JVNTA08-017A
Oracle 製品における複数の脆弱性に対するアップデート
http://jvn.jp/cert/JVNTA08-017A/index.html

関連文書 (英語)

Oracle Technology Network
Oracle Critical Patch Update Advisory - January 2008
http://www.oracle.com/technology/deploy/security/critical-patch-updates/cpujan2008.html

【3】複数のデバイスに UPnP に起因する脆弱性

情報源

US-CERT Vulnerability Note VU#347812
UPnP enabled by default in multiple devices
http://www.kb.cert.org/vuls/id/347812

CIAC Bulletin S-120
Universal Plug and Play Vulnerability
http://www.ciac.org/ciac/bulletins/s-120.shtml

概要

複数のベンダの UPnP (Universal Plug and Play)をサポートするデバ
イスには、UPnP プロトコルに起因する脆弱性があります。結果として、
遠隔の第三者が細工した HTML 文書を閲覧させることで、UPnP が有効
になっているデバイスを操作したり、設定を変更したりする可能性があ
ります。なお、本件に関しては攻撃方法に関する情報が公開されていま
す。

2008年1月22日現在、この問題に対する解決策は提供されていません。

回避策としては、デバイスなどの UPnP 機能を無効にしたり、Mozilla
Firefox では、NoScript 拡張によりスクリプトやプラグインの実行を
許可するサイトを限定したりする方法などがあります。例えば、
Microsoft Windows XP で UPnP サービスを無効にする方法については、
下記関連文書 MS07-019 に記載されている回避策を参照してください。

関連文書 (日本語)

マイクロソフト セキュリティ情報
ユニバーサル プラグ アンド プレイの脆弱性により、リモートでコードが実行される (931261) (MS07-019)
http://www.microsoft.com/japan/technet/security/bulletin/ms07-019.mspx

関連文書 (英語)

UPnP Forum
Welcome to the UPnP Forum!
http://www.upnp.org/

【4】Linux カーネルの VFS に脆弱性

情報源

CIAC Bulletin S-121
VFS Vulnerability
http://www.ciac.org/ciac/bulletins/s-121.shtml

概要

Linux カーネルの VFS には、脆弱性があります。結果として、ローカ
ルユーザが任意のファイルにアクセスしたり、権限を昇格したりする可
能性があります。

対象となるバージョンは以下の通りです。

- バージョン 2.6.22.16 以前の Linux kernel
- バージョン 2.6.23.14 以前の Linux kernel 2.6.23.x 系

この問題は、使用している OS のベンダや配布元が提供する修正済みの
バージョンに Linux カーネルを更新することで解決します。詳細につ
いては、ベンダや配布元が提供する情報を参照してください。

関連文書 (英語)

Linux
Linux Kernel ChangeLog Linux 2.6.22.16
http://kernel.org/pub/linux/kernel/v2.6/ChangeLog-2.6.22.16

Linux
Linux Kernel ChangeLog Linux 2.6.23.14
http://www.kernel.org/pub/linux/kernel/v2.6/ChangeLog-2.6.23.14

【5】apt-listchanges に脆弱性

情報源

CIAC Bulletin S-119
apt-listchanges Vulnerability
http://www.ciac.org/ciac/bulletins/s-119.shtml

概要

Debian のパッケージ変更履歴通知ツール apt-listchanges には、脆弱
性があります。結果として、ローカルユーザが任意のコードを実行する
可能性があります。

対象となるバージョンは以下の通りです。

- apt-listchanges 2.82 より前のバージョン

この問題は、使用している OS のベンダや配布元が提供する修正済みの
バージョンに apt-listchanges を更新することで解決します。詳細に
ついては、ベンダや配布元が提供する情報を参照してください。

関連文書 (日本語)

Debian セキュリティ勧告 DSA-1465-2
apt-listchanges -- プログラムミス
http://www.debian.org/security/2008/dsa-1465.ja.html

関連文書 (英語)

Debian Project
apt-listchanges (2.82)
http://packages.debian.org/changelogs/pool/main/a/apt-listchanges/apt-listchanges_2.82/changelog

【6】「X Font Server に整数オーバーフローの脆弱性」に関する追加情報

情報源

CIAC Bulletin S-116
HP-UX Running X Font Server (xfs) Software
http://www.ciac.org/ciac/bulletins/s-116.shtml

概要

JPCERT/CC REPORT 2007-10-17 号【6】で紹介した「X Font Server に
整数オーバーフローの脆弱性」に関する追加情報です。

HP が HP-UX に関して修正済みのバージョンを公開しました。詳細につ
いては、HP が提供する情報を参照してください。

関連文書 (日本語)

JPCERT/CC REPORT 2007-10-17号
【6】X Font Server に整数オーバーフローの脆弱性
http://www.jpcert.or.jp/wr/2007/wr074001.html#6

関連文書 (英語)

HP Support document c01323725
HPSBUX02303 SSRT071468 rev.1 - HP-UX Running X Font Server (xfs) Software, Remote Execution of Arbitrary Code
http://h20000.www2.hp.com/bizsupport/TechSupport/Document.jsp?objectID=c01323725

■今週のひとくちメモ

○Internet Explorer 7 の自動更新による配布

Microsoft は 2008年2月13日から、Internet Explorer 7 (IE7) 日本語
版の自動更新による配布を開始すると発表しています。

業務アプリケーションなどで Internet Explorer を使用している場合
は、事前に IE7 で動作を確認することをおすすめします。

動作が確認できないなどの理由により IE7 に自動更新したくない場合
は、Microsoft が提供する自動配布の無効化ツールキットを使用して、
IE7 への自動更新をブロックすることが可能です。

参考文献 (日本語)

Microsoft TechNet
Internet Explorer 7 の自動更新による配布
http://www.microsoft.com/japan/technet/updatemanagement/windowsupdate/ie7announcement.mspx

Microsoft ダウンロードセンター
自動配布の無効化ツールキット (Blocker Toolkit)
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyId=4C12D92F-808D-4C21-96CA-DC191A0A8E41&displaylang=ja

■JPCERT/CC からのお願い

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