JPCERT コーディネーションセンター

Weekly Report 2006-11-29号

JPCERT-WR-2006-4601
JPCERT/CC
2006-11-29

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■11/19(日)〜11/25(土) のセキュリティ関連情報

目 次

【1】Apple Mac OS X に DMG ファイルの取扱いに関する脆弱性

【2】CA BrightStor ARCserve Tape Engine の RPC リクエスト処理に脆弱性

【3】gv にバッファオーバフローの脆弱性

【4】NaviCOPA Web サーバにバッファオーバーフローの脆弱性

【5】eyeOS にクロスサイトスクリプティングの脆弱性

【6】phpComasy にクロスサイトスクリプティングの脆弱性

【今週のひとくちメモ】暗号化ファイルシステム使用時の注意

※紹介するセキュリティ関連情報の選定基準は以下のページをご覧ください。
https://www.jpcert.or.jp/wr/

※PGP署名付きテキスト版および XML 版は以下のページをご覧ください。
https://www.jpcert.or.jp/wr/2006/wr064601.txt
https://www.jpcert.or.jp/wr/2006/wr064601.xml

【1】Apple Mac OS X に DMG ファイルの取扱いに関する脆弱性

情報源

US-CERT Vulnerability Note VU#367424
Apple Mac OS X fails to properly handle corrupted DMG image structures
http://www.kb.cert.org/vuls/id/367424

概要

Apple Mac OS X の com.apple.AppleDiskImageController には、DMG 
ファイルを取り扱う際にメモリ破損が発生する脆弱性があります。結果
として、遠隔の第三者が任意のコードを実行したり、サービス運用妨害 
(DoS) 攻撃をしたりする可能性があります。なお、すでに攻撃方法に関
する情報が公開されています。

対象となる製品は以下の通りです。

- Mac OS X

2006年11月28日現在、セキュリティアップデートは提供されていません。
回避策としては以下の方法があります。

- 信頼できないサイトから DMG ファイルをダウンロードしない
- Safari の設定において、「ダウンロード後、"安全な"ファイ
  ルを開く」を無効にする

関連文書 (日本語)

JP Vendor Status Notes JVNVU#367424
Apple Mac OS X における DMG ファイルの取扱いに関する脆弱性
http://jvn.jp/cert/JVNVU%23367424/index.html

【2】CA BrightStor ARCserve Tape Engine の RPC リクエスト処理に脆弱性

情報源

US-CERT Vulnerability Note VU#437300
Computer Associates BrightStor ARCserve Backup Tape Engine fails to properly handle RPC requests
http://www.kb.cert.org/vuls/id/437300

概要

BrightStor ARCserve Backup 製品を使用してテープドライブにバック
アップを取るための機能である CA BrightStor ARCserve Tape Engine 
には、RPC リクエスト処理に脆弱性があります。結果として、遠隔の第
三者が SYSTEM 権限で任意のコードを実行する可能性があります。

2006年11月28日現在、この問題の修正プログラムはリリースされており
ません。回避策として、ファイアウォールなどで TCP 6502 番ポートを
フィルタリングする方法があります。

【3】gv にバッファオーバフローの脆弱性

情報源

CIAC Bulletin R-053
gv
http://www.ciac.org/ciac/bulletins/r-053.shtml

概要

X Window System 向けの PostScript と PDF 用のビューアである gv の
PostScript 解析コードには、バッファオーバーフローの脆弱性がありま
す。結果として、遠隔の第三者が任意のコードを実行する可能性があり
ます。

この問題は、使用している OS のベンダや配布元が提供する修正済みの
パッケージに gv を更新することで解決します。

関連文書 (英語)

Debian Security Advisory DSA-1214-1
gv -- buffer overflow
http://www.debian.org/security/2006/dsa-1214

【4】NaviCOPA Web サーバにバッファオーバーフローの脆弱性

情報源

US-CERT Vulnerability Note VU#693992
NaviCOPA Web Server fails to properly handle certain HTTP requests
http://www.kb.cert.org/vuls/id/693992

CIAC Bulletin R-054
NaviCOPA Web Server Vulnerability
http://www.ciac.org/ciac/bulletins/r-054.shtml

概要

Microsoft Windows 上で動作する HTTP サーバであるNaviCOPA Web サー
バにはバッファオーバーフローの脆弱性があります。結果として、遠隔
の第三者が任意のコードを実行する可能性があります。

この問題は、NaviCOPA Web サーバを V2.01 に更新することで解決しま
す。

関連文書 (英語)

Web Server - NaviCOPA
Web Server - Download Free Trial Software - NaviCOPA
http://www.navicopa.com/download.html

【5】eyeOS にクロスサイトスクリプティングの脆弱性

情報源

JP Vendor Status Notes JVN#46244305
eyeOS におけるクロスサイトスクリプティングの脆弱性
http://jvn.jp/jp/JVN%2346244305/index.html

概要

Web ベースのデスクトップ環境を提供する eyeOS には、クロスサイト
スクリプティングの脆弱性があります。結果として、遠隔の第三者がユー
ザのブラウザ上で任意のスクリプトを実行する可能性があります。

対象となるバージョンは以下の通りです。

- eyeOS バージョン 0.8.10 から 0.8.15

この問題は、配布元が提供する修正済みのバージョン 0.9.0 またはそれ
以降に eyeOS を更新することで解決します。

関連文書 (日本語)

独立行政法人 情報処理推進機構 セキュリティセンター
JVN#46244305「eyeOS」におけるクロスサイト・スクリプティングの脆弱性
http://www.ipa.go.jp/security/vuln/documents/2006/JVN_46244305_eyeOS.html

関連文書 (英語)

eyeOS Downloads
http://eyeos.org/downloads

【6】phpComasy にクロスサイトスクリプティングの脆弱性

情報源

JP Vendor Status Notes JVN#57280612
phpComasy におけるクロスサイトスクリプティングの脆弱性
http://jvn.jp/jp/JVN%2357280612/index.html

概要

コンテンツ管理システム phpComasy には、クロスサイトスクリプティ
ングの脆弱性があります。結果として、遠隔の第三者がユーザのブラウ
ザ上で任意のスクリプトを実行したり、セッション・ハイジャックを行っ
たりする可能性があります。

対象となるバージョンは以下の通りです。

- phpComasy 0.7.9-pre およびそれ以前

この問題は、配布元が提供する修正済みのバージョンに phpComasy を更
新することで解決します。

関連文書 (日本語)

独立行政法人 情報処理推進機構 セキュリティセンター
JVN#57280612「phpComasy」におけるクロスサイト・スクリプティングの脆弱性
http://www.ipa.go.jp/security/vuln/documents/2006/JVN_57280612_phpComasy.html

関連文書 (英語)

phpComasy
phpcomasy
http://www.phpcomasy.com/index.php?id=18

■今週のひとくちメモ

○暗号化ファイルシステム使用時の注意

暗号化ファイルシステムは、ディスク等のメディアが紛失や盗難に遭っ
た場合に於いてデータの機密を保持するのに有効です。

ただし、暗号化ファイルシステムの使用にあたっては、その機能や特徴
を正しく把握することが大切です。主な注意点を以下に示します。

- 暗号化に使用している鍵やパスフレーズの管理に注意する
- メモリ等に保持されている鍵の存在に注意する
- ファイルシステム内のデータを使用しないときは、ファイルシステム
  をマウントしない
- 侵入などに対しては、ファイル単位での暗号化など別途対策が必要で
  あることに留意する

参考文献 (日本語)

JPCERT/CC REPORT 2006-11-22号 [今週の一口メモ]
暗号化ファイルシステムの導入
http://www.jpcert.or.jp/wr/2006/wr064501.html

Microsoft サポートオンライン
暗号化ファイル システムの最善の使用方法
http://support.microsoft.com/kb/223316/ja

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    https://www.jpcert.or.jp/wr/
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