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インターネットセキュリティの歴史 第18回 「個人情報保護法」(上)

わが国の個人情報保護法制は、1973年に徳島市「電子計算組織運営審議
会条例」が制定されたのを皮切りに、地方公共団体による一連の条例制
定からスタートしたといえます。OECD の「プライバシーガイドライン」
が採択された1980年には、既に、49 の地方公共団体が個人情報保護条
例を制定していました。

国レベルでは、

- 行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法
  律 (1988年公布)

が制定されたのが最初になります。当時は、民間部門の規制は時期尚早
との判断に基づき、行政機関に対象を絞り、かつ、コンピュータによっ
て処理される「個人情報ファイル」のみを対象とした法制とされました。

その一方で、当時、民間事業者による個人情報の無断収集・利用が問題
となっていたことから、1989年に、通商産業省(当時)の情報化対策委
員会個人情報保護部会が、

- 民間部門における電子計算機処理に係る個人情報の保護についての指
  針

を公表しました。この指針は、1997年に

- 民間部門における電子計算機処理に係る個人情報の保護に関するガイ
  ドライン (平成9年通商産業省告示98号)

に全面改正され、以後、個人情報保護法が制定されるまで、企業や団体
がガイドラインを制定したり、取り扱いルールを定めたりする際の参考
とされていました。

この後、インターネット社会の進展、住民基本台帳法ネットワークの構
築、EU 個人情報保護指令への対応や、個人情報漏洩事件の多発を背景
に、個人情報保護法立法に向けた本格的な検討が開始されることになり
ます。
参考文書(日本語)

Weekly Report 2008-07-30号 に掲載

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