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EXP13-C. 関係演算子および等価演算子は、結合則が成り立たないものとして扱う

EXP13-C. 関係演算子および等価演算子は、結合則が成り立たないものとして扱う

C では、関係演算子および等価演算子は左結合である。他のプログラミング言語とは異なり、関係演算子や等価演算子を連鎖させることができる。C 標準 [ISO/IEC 9899:2011] セクション 6.5.8 の脚注 107 には次のように記載されている。

a<b<c は、通常の数学的な意味のようには解釈されない。構文が示しているように、(a<b)<c を意味している。言い換えれば、"ab より小さい場合は 1 と c を比較し、それ以外の場合は 0 と c を比較する" ということである。

これらの演算子は左結語であり、一番左の比較が最初に実行され、結果が一番右の比較と比較される。そのため、プログラマは (特に条件として使用される式で) 解釈間違いを招きやすい式を書く可能性がある。

違反コード

以下のコード例は問題なくコンパイルできるが、プログラマが本当に意図したコードを意味する可能性は低い。

int a = 2;
int b = 2;
int c = 2;
/* ... */
if (a < b < c) /* 誤解を招きやすい */
/* ... */
if (a == b == c) /* 誤解を招きやすい */

a < b < c は真と評価される。プログラマの意図は偽と評価されることであろう。a == b == c は偽と評価される。プログラマの意図は真と評価されることであろう。

適合コード

関係演算子や等価演算子は、連鎖できないものとして扱うべきである。

if ( (a < b) && (b < c) ) /* 意図したものがより明確で、より確実となる */
/* ... */
if ( (a == b) && (a == c) ) /* 同上 */
リスク評価

関係演算子や等価演算子を間違って使用すると、プログラムの間違った制御フローにつながる恐れがある。

ルール

深刻度

可能性

修正コスト

優先度

レベル

EXP13-C

P2

L3

自動検出(最新の情報はこちら

ツール

バージョン

チェッカー

説明

ECLAIR

1.1

exprprns

実装済み

GCC

V. 4.3.5

 

-Wparentheses オプションを使用すると、x<=y<=z のような比較が示された場合に警告される。この警告は -Wall でも有効となる。

PRQA QA-C 8.1

3392
3401
4111
4112
4113

実装済み
関連するガイドライン
CERT C++ Secure Coding Standard EXP17-CPP. Treat relational and equality operators as if they were nonassociative
参考資料
[ISO/IEC 9899:2011] Section 6.5.8, "Relational Operators"
翻訳元

これは以下のページを翻訳したものです。

EXP13-C. Treat relational and equality operators as if they were nonassociative (revision 31)

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