-----BEGIN PGP SIGNED MESSAGE----- ====================================================================== JPCERT-PR-2006-0001 JPCERT/CC JPCERT/CC 活動概要 [ 2005年10月1日 〜 2005年12月31日 ] 発行日: 2006-01-16 ====================================================================== §1. インシデント報告 http://www.jpcert.or.jp/ir/ 情報システムにおけるインシデントとは、正当な権限をもたない人がコン ピュータを不正に利用するようなコンピュータのセキュリティに関わる事件、 出来事の全般を指します。このようなインシデントが発生した場合、その被害 の拡大を最小限にするための行動を、我々はインシデント対応 (レスポンス) と呼んでいます。 JPCERT/CC では、広く皆様にインシデントに関する情報提供のご協力をお願い して、インシデント対応のサービスを行っております。 JPCERT/CC が 2005年10月1日から2005年12月31日までの間に受領したコンピュー タセキュリティインシデントに関する報告の件数は 827 件でした。 注: ここにあげた数字は、JPCERT/CC が受け付けた報告の件数です。従って、 実際のアタックの発生件数や、被害件数を類推できるような数値ではあ りません。また類型ごとの実際の発生比率を示すものでもありません。 一定以上の期間に渡るアクセスの要約レポートも含まれるため、アクセ スの回数と報告件数も一般に対応しません。また、報告元には、国内外 のサイトが含まれます。 I. インシデント報告の送信元による分類 JPCERT/CC が受領したインシデント報告の送信元をトップレベルドメインで 分類したもののうち、件数の多いものは以下の通りです。 .jp 397 件 .net 109 件 .com 91 件 .br 76 件 .kr 62 件 .fr 58 件 .edu 10 件 II. インシデント報告より派生した通知連絡 JPCERT/CC から国内外の関連するサイトに通知連絡した件数は 531件です。 この通知連絡数は、アクセス元などへの連絡仲介依頼を含むインシデント報告 に基づいて行われたものです。 III. インシデント報告のタイプ別分類 (1) プローブ、スキャン、その他不審なアクセス (scan) JPCERT/CC では、防御に成功したアタックや、コンピュータ/サービス/弱点 の探査を意図したアクセス、その他の不審なアクセス等、システムのアクセス 権において影響が生じない、または、無視できるアクセスについて 707件の報 告を受領しています。 このような探査は、自動化ツールを用いて広範囲に渡る任意のホストに対し て行なわれています。セキュリティ上の弱点を放置していると、弱点の存在を 検出され、ホストへの侵入等さまざまなアタックを受ける可能性があります。 参考文献 [1] [2] [3] [4] [5] [6] をご参照ください。 22 (ssh) 194件 (*1) 135 (epmap) 100件 (*1) 9898 (monkeycom) 54件 1023 51件 (*1) 5554 (sgi-esphttp) 47件 (*1) 1026 (cap) 37件 445 (microsoft-ds) 32件 (*1) 1433 (ms-sql-s) 27件 (*1) 6346 (gnutella-svc) 20件 80 (http) 19件 (*1) 1027 19件 1434 (ms-sql-m) 16件 6900 13件 21 11件 15118 11件 62510 9件 25 (smtp) 7件 6129 6件 (*2) 3410 (networklenss) 6件 23 (telnet) 5件 1521 (ncube-lm) 4件 11768 4件 14094 4件 6667 3件 55864 3件 35464 3件 139 (netbios-ssn) 3件 (*1) 111 (sunrpc) 3件 1025 (blackjack) 3件 (*1) 総合的なプローブ、スキャン 167件 (*3) (*1) ワームによる感染の試みやワームなどによって設置されたバックドア からの侵入の試みと思われるアクセスが報告されています。参考文献 [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] をご参照ください。 また、以下の URL もご参照ください。 TCP 1025番ポートへのスキャンの増加に関する注意喚起 http://www.jpcert.or.jp/at/2005/at050012.txt Microsoft 製品の脆弱性を使って伝播するワームに関する注意喚起 http://www.jpcert.or.jp/at/2005/at050008.txt Microsoft 製品に含まれる脆弱性に関する注意喚起 http://www.jpcert.or.jp/at/2005/at050007.txt TCP 1433番ポートへのスキャンの増加に関する注意喚起 http://www.jpcert.or.jp/at/2005/at050006.txt VERITAS Backup Exec に含まれる脆弱性に関する注意喚起 http://www.jpcert.or.jp/at/2005/at050004.txt OpenSSH の脆弱性を使ったシステムへの侵入に関する注意喚起 http://www.jpcert.or.jp/at/2005/at050003.txt phpBB の脆弱性を使って伝播するワームに関する注意喚起 http://www.jpcert.or.jp/at/2004/at040011.txt Windows LSASS の脆弱性を使って伝播するワーム W32/Sasser http://www.jpcert.or.jp/at/2004/at040006.txt Status Tracking Note TRJVN-2004-02 W32/Sasser ワーム http://jvn.jp/tr/TRJVN-2004-02/ JP Vendor Status Note JVNCA-2004-02 大量に電子メールを配信するワーム http://jvn.jp/cert/JVNCA-2004-02/ Netsky.Q のサービス運用妨害攻撃に関する注意喚起 http://www.jpcert.or.jp/at/2004/at040002.txt Microsoft ASN.1 Library の脆弱性に関する注意喚起 http://www.jpcert.or.jp/at/2004/at040001.txt TCP 139番ポートへのスキャンの増加に関する注意喚起 http://www.jpcert.or.jp/at/2003/at030007.txt Microsoft IIS 5.0 の脆弱性に関する注意喚起 http://www.jpcert.or.jp/at/2003/at030003.txt TCP 135番ポートへのスキャンの増加に関する注意喚起 http://www.jpcert.or.jp/at/2003/at030005.txt Windows RPC の脆弱性を使用するワームに関する注意喚起 http://www.jpcert.or.jp/at/2003/at030006.txt OpenSSL の脆弱性を使って伝播する Apache/mod_ssl ワーム http://www.jpcert.or.jp/at/2002/at020006.txt TCP 1433番ポートへのスキャンの増加に関する注意喚起 http://www.jpcert.or.jp/at/2002/at020002.txt Microsoft IIS の脆弱性を使って伝播するワーム http://www.jpcert.or.jp/at/2001/at010018.txt Microsoft IIS の脆弱性を使って伝播するワーム "Code Red II" http://www.jpcert.or.jp/at/2001/at010020.txt 80番ポート (HTTP) へのスキャンの増加に関する注意喚起 http://www.jpcert.or.jp/at/2001/at010023.txt (*2) リモートコントロールソフトへの接続を試みたと思われるアクセスの 可能性があります。参考文献 [26] をご参照ください。 (*3) 総合的なプローブスキャンとは、同一発信元からの複数ポートに対す るスキャンなど、いくつかのプローブスキャン情報をまとめてご報告 いただいたものです。 (2) 送信ヘッダを詐称した電子メールの配送 (forged) JPCERT/CC では、差出人アドレスなどの送信ヘッダを詐称した電子メールの 配送について 3件の報告を受領しています。 電子メールの送信ヘッダを詐称して、メールの中継には関与していない第三 のサイトへのメール配送が行なわれています。この結果、多量のエラーメール が作成され、計算機資源やネットワーク領域が消費される可能性があります。 また、差出人アドレスを詐称された場合、これらのメールの発信元であると いう疑いをもたれる可能性があります。送信ヘッダを詐称した電子メールの配 送については参考文献 [20] [22] [29] をご参照ください。 (3) システムへの侵入 (intrusion) JPCERT/CC では、管理者権限の盗用が認められる場合を含むシステムへの侵 入について 2件の報告を受領しています。 侵入方法としては、次のような事例が報告されています。 - 脆弱なパスワードを総当り攻撃で解読され侵入された など 侵入を受けた場合の対応については、以下の URL で公開している文書「コ ンピュータセキュリティインシデントへの対応」の V. および VI. を参照し てください。 コンピュータセキュリティインシデントへの対応 http://www.jpcert.or.jp/ed/2002/ed020002.txt 今回受領した報告において、侵入後に行なわれた操作として指摘されている 行為のうち、主なものを以下に紹介します。 - 当該サイトを経由した他サイトへのアクセス (ワームを含む) - システムの改ざん (ファイルの置き換え、ログの消去、Webページの改 ざんなど) (4) Web 偽装詐欺 (phishing) JPCERT/CC では、銀行などのサイトであると詐称して、Web のフォームなど から入力された口座番号やキャッシュカードの暗証番号といった個人情報を盗 み取る Web 偽装詐欺について 102件の報告を受領しています。 Web 偽装詐欺に用いる Web サイトの構築を目的として、システムへの侵入 が行われたり、ドメインを乗っ取る行為があります。 Web 偽装詐欺 (phishing) の踏み台サーバに関する注意喚起 http://www.jpcert.or.jp/at/2005/at050002.txt DNS サーバの設定とドメイン名の登録に関する注意喚起 http://www.jpcert.or.jp/at/2005/at050005.txt システムが Web 偽装詐欺に用いられた場合の対応については、以下の URL で公開している文書「コンピュータセキュリティインシデントへの対応」の V. および VI.を参照してください。 コンピュータセキュリティインシデントへの対応 http://www.jpcert.or.jp/ed/2002/ed020002.txt また、Web 偽装詐欺に対する Web ブラウザの設定に関しては、参考文献 [30] をご参照ください。 (5) その他 (other) JPCERT/CC では、上記 (1) から (4) に含まれないインシデント (コンピュー タウィルスや SPAM メールの受信、架空請求、その他に関する問い合わせなど) について 41件の報告を受領しています。 以上 (1) から (5) をまとめたものが、以下の表です。 scan forged intrusion phishing other Total ----------------------------------------------------------------- 10月 218 2 1 34 21 276 11月 260 0 1 31 7 299 12月 229 1 0 37 13 280 ----------------------------------------------------------------- 707 3 2 102 41 855 scan : プローブ、スキャン、その他不審なアクセス forged : 送信ヘッダを詐称した電子メールの配送 intrusion : システムへの侵入 phishing : 認証情報等の不正取得 other : その他 §2. インターネット定点観測システム (ISDAS) 運用 http://www.jpcert.or.jp/isdas/ インターネット上に設置した複数のセンサーから得られる情報を解析すると ともに、世の中に流布するセキュリティ脆弱性情報などをあわせて総合的に評 価した上で、セキュリティ予防観測に関する情報を提供するサービスを行なっ ています。 I. ポートスキャン概況 インターネット定点観測システムの観測結果はスキャン推移を表すグラフと して JPCERT/CC の Web ページを通じて公開しています。 アクセス先ポート 別グラフはスキャンログをアクセス先ポート別に集計し、総計をセンサーの台 数で割った平均値を用い作成しています。また、アクセス元地域別グラフはス キャンログをアクセス元地域別に集計し、総計をセンサーの台数で割った平均 値を用いています。 JPCERT/CCインターネット定点観測システムの説明 http://www.jpcert.or.jp/isdas/readme.html 2005年10月1日から2005年12月31日までの間に ISDAS で観測されたアクセス 先ポートおよびアクセス元地域に関する平均値の上位1位〜5位までの推移を以 下のグラフに示します。 - アクセス先ポート別グラフ top1-5 http://www.jpcert.or.jp/isdas/2005/2005q4top1-5_port.png - アクセス元地域別グラフ top1-5 http://www.jpcert.or.jp/isdas/2005/2005q4top1-5_region.png また、より長期間のスキャン推移を表すグラフとして、2005年1月1日から 2005年12月31日までの期間における、アクセス先ポートおよびアクセス元地域 に関する平均値の上位1位〜5位までの推移を以下のグラフに示します。 - アクセス先ポート別グラフ top1-5 http://www.jpcert.or.jp/isdas/2005/200501-12q4top1-5_port.png - アクセス元地域別グラフ top1-5 http://www.jpcert.or.jp/isdas/2005/200501-12q4top1-5_region.png II. おもなインシデントにおける観測状況 ISDAS おいて下記に記載するようなスキャン事例を観測したため、ISDAS ペー ジに注意文の掲載および注意喚起の発行等を行いました。 (1) TCP 6129番ポートへのスキャン増加 2005年11月6日から11月9日まで、TCP 6129番ポートへのスキャン増加を観測 したため、ISDAS ページに注意文を掲載しました。同ポートのスキャン増加に ついては2005年12月11日から13日にもスキャン増加を観測しました。 - アクセス元地域別ポート指定グラフ TCP 6129番ポート (2005/11/2-2005/11/9) http://www.jpcert.or.jp/isdas/2005/20051102-09_tcp6129_region.png - アクセス元地域別ポート指定グラフ TCP 6129番ポート (2005/12/10-2005/12/16) http://www.jpcert.or.jp/isdas/2005/20051210-16_tcp6129_region.png (2) TCP 1025番ポートへのスキャン増加 2005年12月8日から12月22日まで、TCP 1025番ポートへのスキャン増加を観 測したため、ISDAS ページに注意文の掲載および注意喚起の発行を行いました。 - アクセス元地域別ポート指定グラフ TCP 1025番ポート (2005/12/4-2006/1/4) http://www.jpcert.or.jp/isdas/2005/20051204-20060104_tcp1025_region.png III. その他 (1) TCP 1025番ポートへのスキャンの増加に関する注意喚起へのリンクを追加 - TCP 1025番ポートへのスキャンの増加に関する注意喚起 http://www.jpcert.or.jp/at/2005/at050012.txt (2) eCSIRT.net IDS ネットワークへの協力 JPCERT/CC では、ヨーロッパの CSIRT コミュニティ TF-CSIRT で行なわれ ている IDS ネットワークへの技術協力をしています。詳細につきましては参 考文献 [31] [32] をご参照ください。 §3. 脆弱性情報流通 http://www.jpcert.or.jp/vh/ I. コーディネーションを行い公開した脆弱性情報および対応状況 2005年10月1日から2005年12月31日までの間に、JPCERT/CC が日本国内の製 品開発者 (ベンダ) などの関連組織とのコーディネーションを行ない、公開し た脆弱性情報および対応状況は 19件です。 このうち、経済産業省告示「ソフトウェア等脆弱性関連情報取扱基準」に従っ て、独立行政法人情報処理推進機構 (IPA) に報告され、公開された脆弱性情 報および対応状況は 14件です。 JVN#93004125: BBSNote におけるクロスサイトスクリプティングの脆弱性 JVN#87830692: WebNote Clip における OS コマンドインジェクションの脆弱性 JVN#06045169: mod_imap におけるクロスサイトスクリプティングの脆弱性 JVN#28011334: Opera におけるブックマーク機能に関する脆弱性 JVN#15972537: 富士通製 Java Runtime Environment のリフレクション API に関する脆弱性 JVN#15243167: 携帯電話の Web ブラウザにおける referer ヘッダの扱いに関する問題(*1) JVN#76357668: MitakeSearch におけるクロスサイトスクリプティングの脆弱性 JVN#67001206: FreeStyleWiki にクロスサイトスクリプティングを含む複数の脆弱性 JVN#30451602: HTTPD-User-Manage におけるクロスサイトスクリプティングの脆弱性 JVN#25106961: Kent Web PostMail におけるメール第三者中継の脆弱性 JVN#18282718: Hyper Estraier におけるディレクトリトラバーサル/サービス不能の脆弱性 JVN#77105349: XOOPS におけるクロスサイトスクリプティングの脆弱性 JVN#59130192: eBASEweb における SQL インジェクションの脆弱性 JVN#23632449: OpenSSL におけるバージョン・ロールバックの脆弱性 (*1) コーディネーションの結果、製品開発者により不具合であると判断され ていますが、ユーザへの周知を目的として、対策情報を公開しました。 また、残りの 5件は海外 CSIRT とのパートナーシップに基づき、JPCERT/CC が日本国内のベンダのコーディネーションを行い、脆弱性情報を公開しました。 JVNVU#305272: Symantec 製品に含まれる RAR アーカイブ解凍ライブラリにヒープオーバーフローの脆弱性 JVNVU#102014: TCP プロトコルに Optimistic TCP acknowledgements による DoS が可能な脆弱性 JVNVU#562945: Cisco IOS に heap integrity checks を迂回される脆弱性 JVNVU#175500: Snort Back Orifice プリプロセッサにバッファオーバーフローの脆弱性 NISCC-273756: ISAKMP プロトコルの実装に複数の脆弱性 II. 海外 CSIRT との脆弱性関連情報流通協力体制の構築、国際的な活動 JPCERT/CC では、国際的な枠組みにおける脆弱性関連情報の円滑な流通のた め、海外の CSIRT の協力関係を構築、強化しています。具体的には、報告さ れた脆弱性関連情報の共有、ベンダへの通知の共同オペレーション、公開日の 調整、各国ベンダ情報等公開情報の共有を行っています。また、情報流通を効 率化するための共通ガイドラインやシステム構築、データ交換フォーマット、 アドバイザリの標準フォーマットの策定等を共同で進めています。 主な関係機関は米国 CERT/CC、英国 NISCC (UNIRAS) です。各機関の詳細に ついては参考文献 [33] [34] をご参照ください。また以下の URL もご参照く ださい。 脆弱性関連情報コーディネーション概要 http://www.jpcert.or.jp/vh/ III. 日本国内の脆弱性情報流通体制の整備 JPCERT/CC では、経済産業省告示「ソフトウェア等脆弱性関連情報取扱基準」 (以下、本基準) に従って、日本国内の脆弱性情報流通体制を整備しています。 本基準については参考文献 [35] をご参照ください。また以下の URL もご参 照ください。 脆弱性関連情報コーディネーション概要 http://www.jpcert.or.jp/vh/ 「情報セキュリティ早期警戒パートナーシップ」の運用を開始 http://www.jpcert.or.jp/press/2004/0708.txt 情報セキュリティ早期警戒パートナーシップガイドライン http://www.jpcert.or.jp/vh/partnership_guide.pdf 情報セキュリティ早期警戒パートナーシップガイドライン(改訂版) http://www.jpcert.or.jp/vh/partnership_guide2005.pdf JPCERT/CC 脆弱性関連情報取り扱いガイドライン http://www.jpcert.or.jp/vh/guideline.pdf 主な活動は以下の通りです。 (1) 受付機関である独立行政法人情報処理推進機構 (IPA) との連携 本基準では、受付機関に IPA、調整機関に JPCERT/CC が指定されています。 このことから、JPCERT/CC は IPA と緊密に情報交換を行っています。また、 脆弱性検証ツールに関しても IPA との連携のもと分析を行っています。IPA の詳細については参考文献 [36] をご参照ください。 本基準における IPA の活動および四半期毎の届出状況については、参考文 献 [37] をご参照ください。 (2) 日本国内ベンダとの連携 本基準では、JPCERT/CC が脆弱性情報を提供する先として、日本国内のベン ダリスト(製品開発者リスト)を作成し、各ベンダの連絡先情報を整備すること が示されています。JPCERT/CC では、連絡先情報の整備に際し、ベンダの皆様 に製品開発者としての登録をお願いしています。登録の詳細については、以下 の URL をご参照ください。なお、2005年12月31日の時点で 114社のベンダの 皆様に、ご登録をいただいています。 JPCERT コーディネーションセンター製品開発者リスト登録規約 http://www.jpcert.or.jp/vh/agreeement.pdf (3) JP Vendor Status Notes (JVN) の運用 JPCERT/CC は IPA と共同で、JVN を運用しています。JVN は、JPCERT/CC が取り扱った脆弱性情報に関して日本国内の製品開発者の脆弱性への対応状況 を公開するサイトです。これらの脆弱性情報には、本枠組みに参加している日 本国内の製品開発者の対応状況も含まれています。JVN については以下の URL をご参照ください。 JP Vendor Status Notes (JVN) http://jvn.jp/ JVN では上記「I. コーディネーションを行い公開した脆弱性情報および対 策状況」以外に当該期間中に 12件の脆弱性情報を公開しました。 JVNTA05-362A: Microsoft Windows の Windows メタファイルハンドラにバッファオーバフローの脆弱性 JVNTA05-347A: Microsoft Internet Explorer に任意のコード実行の脆弱性 JVNVU#887861: Microsoft Internet Explorer の "Window()" オブジェクトの処理に任意のコード実行の脆弱性 JVNTA05-312A: Microsoft Windows Image Processing に脆弱性 JVNVU#668193: Skype VCARD handling routine にバッファオーバーフローの脆弱性 JVNVU#905177: Skype にヒープオーバーフローの脆弱性 JVNVU#930345: Skype の URI ハンドラにバッファオーバーフローの脆弱性 JVNVU#215006: unace にバッファオーバフローの脆弱性 JVNVU#363713: Clam AntiVirus におけるバッファオーバーフローの脆弱性 JVNTA05-292A: Oracle 製品群に複数の脆弱性 JVNTA05-291A: Snort Back Orifice Preprocessor にバッファオーバーフローの脆弱性 JVNTA05-284A: Microsoft Windows, Internet Explorer, Exchange Server に関する脆弱性 (4) JPCERT/CC 脆弱性情報ハンドリング説明会の実施 オープンソースソフトウェアの開発に携わる方、及びオープンソースコミュ ニティの関係者の方にお集まりいただき、2005年10月16日に JPCERT/CC 脆弱 性情報 ハンドリング説明会を開催しました。ここでは、脆弱性関連情報ハン ドリング業務や関連活動の最新状況を紹介するとともに、参加いただいた皆様 との意見交換を行ないました。 §4. 公開文書 2005年10月1日から2005年12月31日までの間に JPCERT/CC が公開した文書は、 注意喚起 6件、JPCERT/CC レポート 13件、及び第3四半期の活動概要です。詳 細は以下の通りです。 I. 注意喚起 6件 http://www.jpcert.or.jp/at/ 2005-10-19 Snort Back Orifice preprocessor の脆弱性に関する注意喚起 2005-11-22 Internet Explorer の JavaScript の脆弱性に関する注意喚起 2005-11-25 Sober ワームの変種に関する注意喚起 2005-12-12 TCP 1025番ポートへのスキャンの増加に関する注意喚起 2005-12-14 Microsoft Internet Explorer に含まれる脆弱性に関する注意喚起 2005-12-29 Microsoft Windows メタファイル処理の脆弱性に関する注意喚起 II. JPCERT/CC レポート 13件 http://www.jpcert.or.jp/wr/ JPCERT/CC レポート内で扱ったセキュリティ関連情報の項目数は合計して 75件です。そのうち 16件は「今週の一口メモ」のコーナーで情報した情報で す。 III. 活動概要 1件 http://www.jpcert.or.jp/pr/ 2005-10-12 JPCERT/CC 活動概要 [ 2005年7月1日 〜 2005年9月30日 ] [プレス発表資料] インターネットセキュリティに対する JPCERT/CC 2005年第3四半期活動報告 http://www.jpcert.or.jp/pr/2005/pr050006.pdf §5. その他の活動 2005年10月1日から2005年12月31日までの間に JPCERT/CC が実施した、上記 §1.〜4. 以外の活動は以下の通りです。 I. JPCERT/CC レポート読者アンケート調査 JPCERT/CC レポート読者に対し、JPCERT/CC レポートの利用方法や内容に関 する期待、要望を Web によるアンケートで調査しました。 調査期間: 2005年9月7日(水)〜22日(木) 調査結果: http://www.jpcert.or.jp/pr/2005/pr050006.pdf この調査結果をもとに JPCERT/CC レポートの改善に向けて、現在準備を進め ています。 II. JPNIC・JPCERT/CC セキュリティセミナー 2005 社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター (JPNIC) との共催 のセミナーを以下の日程で開催しました。詳細は参考文献 [38] [39] をご参 照ください。 2005年10月6日(木)〜7日(金) 秋葉原コンベンションホール 「サーバアプリケーションセキュリティ」 2005年10月20日(木) 中之島センタービル (大阪) 「知っておくべき不正アクセス対策」 2005年11月8日(火) 北海道大学 学術交流会館 (札幌) 「知っておくべき不正アクセス対策」 III. カーネギーメロン大学日本校・JPCERT/CC セキュリティセミナー カーネギーメロン大学日本校との共催で、10/26(水) に青山ダイヤモンドホー ルにおいてセキュリティセミナーを開催しました。詳細は参考文献 [40] [41] をご参照ください。 IV. Security DAY ここだけの話 〜あなたはどう考えますか?〜 特定非営利活動法人日本ネットワークセキュリティ協会 (JNSA) および財団 法人日本データ通信協会テレコム・アイザック推進会議 (Telecom-ISAC Japan) との共催で、Internet Week 2005 (パシフィコ横浜会議センター 12/6〜 12/9) のカンファレンスプログラムとして、12/8(木) に開催しました。詳細 は参考文献 [42] [43] [44] をご参照ください。 V. APCERT 事務局運営 http://www.jpcert.or.jp/english/secretariat.html アジア太平洋地域の CSIRT の集まりである、APCERT (Asia Pacific Computer Emergency Response Team) の事務局を担当しています。詳細は参考 文献 [45] をご参照ください。 VI. FIRST レプリカサーバの運用 FIRST (Forum of Incident Response and Security Teams) の Web サーバ www.first.org のレプリカサーバ (ミラーサーバ) を運用し、FIRST の活動に 貢献しています。FIRST の詳細については参考文献 [46] をご参照ください。 VII. FIRST Steering Committee への参画 FIRST Steering Committee のメンバーとして、JPCERT/CC の職員が選出さ れ、FIRST の運営に協力しています。FIRST Steering Committee については 参考文献 [47] をご参照ください。 __________ Appendix. 参考文献 [1] IN-98.02: New Tools Used For Widespread Scans http://www.cert.org/incident_notes/IN-98.02.html [2] IN-98.04: Advanced Scanning http://www.cert.org/incident_notes/IN-98.04.html [3] IN-98.05: Probes with Spoofed IP Addresses http://www.cert.org/incident_notes/IN-98-05.html [4] IN-98.06: Automated Scanning and Exploitation http://www.cert.org/incident_notes/IN-98-06.html [5] IN-99-01: "sscan" Scanning Tool http://www.cert.org/incident_notes/IN-99-01.html [6] Packet Filtering for Firewall Systems http://www.cert.org/tech_tips/packet_filtering.html [7] CA-2001-19 "Code Red" Worm Exploiting Buffer Overflow in IIS Indexing Service DLL http://www.cert.org/advisories/CA-2001-19.html [8] CA-2001-26 Nimda Worm http://www.cert.org/advisories/CA-2001-26.html [9] IN-2002-04: Exploitation of Vulnerabilities in Microsoft SQL Server http://www.cert.org/incident_notes/IN-2002-04.html [10] CA-2002-27 Apache/mod_ssl Worm http://www.cert.org/advisories/CA-2002-27.html [11] AL-2002.12 W32/BUGBEAR@MM Virus http://www.auscert.org.au/render.html?it=2447 [12] AU-2002.008 Updated Information Regarding BugBear Virus http://www.auscert.org.au/render.html?it=2452 [13] IN-2002-06: W32/Lioten Malicious Code http://www.cert.org/incident_notes/IN-2002-06.html [14] IN-2003-01: Malicious Code Propagation and Antivirus Software Updates http://www.cert.org/incident_notes/IN-2003-01.html [15] CA-2003-04 MS-SQL Server Worm http://www.cert.org/advisories/CA-2003-04.html [16] CA-2003-08 Increased Activity Targeting Windows Shares http://www.cert.org/advisories/CA-2003-08.html [17] CA-2003-09 Buffer Overflow in Core Microsoft Windows DLL http://www.cert.org/advisories/CA-2003-09.html [18] CA-2003-28 Buffer Overflow in Windows Workstation Service http://www.cert.org/advisories/CA-2003-28.html [19] CERT/CC Current Activity W32/Welchia Worm http://www.cert.org/current/archive/2003/08/18/archive.html#welchia [20] IN-2004-01: W32/Novarg.A Virus http://www.cert.org/incident_notes/IN-2004-01.html [21] TA04-041A: Multiple Vulnerabilities in Microsoft ASN.1 Library http://www.us-cert.gov/cas/techalerts/TA04-041A.html [22] TA04-028A: W32/MyDoom.B Virus http://www.us-cert.gov/cas/techalerts/TA04-028A.html [23] Sasser ワームについてのお知らせ http://www.microsoft.com/japan/security/incident/sasser.mspx [24] Microsoft Windows のセキュリティ修正プログラム (835732) (MS04-011) http://www.microsoft.com/japan/technet/security/bulletin/MS04-011.mspx [25] US-CERT Current Activity: W32/Sasser http://www.us-cert.gov/current/archive/2004/06/24/archive.html#sasser [26] US-CERT Vulnerability Note VU#909678 http://www.kb.cert.org/vuls/id/909678 [27] US-CERT Current Activity: Santy Worm http://www.us-cert.gov/current/archive/2004/12/21/archive.html#Santy [28] US-CERT Vulnerability Note VU#497400 http://www.kb.cert.org/vuls/id/497400 [29] Email Bombing and Spamming http://www.cert.org/tech_tips/email_bombing_spamming.html [30] Frequently Asked Questions About Malicious Web Scripts Redirected by Web Sites http://www.cert.org/tech_tips/malicious_code_FAQ.html [31] TERENA - TF-CSIRT - Collaboration of Security Incident Response Teams http://www.terena.nl/tech/task-forces/tf-csirt/ [32] The European CSIRT Network http://www.ecsirt.net/ [33] CERT Coordination Center (CERT/CC) http://www.cert.org/ [34] National Infrastructure Security Co-ordination Centre (NISCC) http://www.niscc.gov.uk/ [35] 脆弱性関連情報取扱体制について http://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/vulhandlingG.html [36] 独立行政法人情報処理推進機構 http://www.ipa.go.jp/ [37] 情報処理推進機構セキュリティセンター 脆弱性関連情報の取扱い http://www.ipa.go.jp/security/vuln/ [38] 社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター (JPNIC) http://www.nic.ad.jp/ [39] JPNIC・JPCERT/CC セキュリティセミナー 2005 http://www.nic.ad.jp/security-seminar/ [40] カーネギーメロン大学日本校 http://www.cmuj.jp/ [41] カーネギーメロン大学日本校・JPCERT/CC セキュリティセミナー http://www.cmuj.jp/05jpcert_seminar.html [42] Internet Week 2005 http://internetweek.jp/ [43] 特定非営利活動法人日本ネットワークセキュリティ協会 (JNSA) http://www.jnsa.org/ [44] 財団法人日本データ通信協会テレコム・アイザック推進会議 (Telecom-ISAC Japan) https://www.telecom-isac.jp/ [45] Asia Pacific Computer Emergency Response Team (APCERT) http://www.apcert.org/ [46] Forum of Incident Response and Security Teams (FIRST) https://www.first.org/ [47] FIRST Steering Committee https://www.first.org/about/organization/sc.html __________ <JPCERT/CC からのお知らせとお願い> 本文書で解説したコンピュータセキュリティインシデントも含め、インター ネット上で引き起こされるさまざまなコンピュータセキュリティインシデント に関する情報がありましたら、info@jpcert.or.jp までご提供くださいますよ うお願いします。報告様式に関しては以下の URL をご覧ください http://www.jpcert.or.jp/form/ 報告様式にご記載のうえ、 info@jpcert.or.jp までお送りください。 JPCERT/CC に頂いた報告は、報告者の了解なしに、そのまま他組織等に開示 することはありません。JPCERT/CC の組織概要につきましては、 http://www.jpcert.or.jp/ をご参照ください。 JPCERT/CC では、コンピュータセキュリティインシデントに関する情報を迅 速にご提供するために、メーリングリストを開設しています。登録の方法等、 詳しくは、 http://www.jpcert.or.jp/announce.html をご参照ください。 __________ 注: JPCERT/CC の活動は、特定の個人や組織の利益を保障することを目的とし たものではありません。個別の問題に関するお問い合わせ等に対して必ずお答 えできるとは限らないことをあらかじめご了承ください。また、本件に関する ものも含め、JPCERT/CC へのお問い合わせ等が増加することが予想されるため、 お答えできる場合でもご回答が遅れる可能性があることを何卒ご承知おきくだ さい。 注: この文書は、コンピュータセキュリティインシデントに関する一般的な情 報提供を目的とするものであり、特定の個人や組織に対する、個別のコンサル ティングを目的としたものではありません。また JPCERT/CC は、この文書に 記載された情報の内容が正確であることに努めておりますが、正確性を含め一 切の品質についてこれを保証するものではありません。この文書に記載された 情報に基づいて、貴方あるいは貴組織がとられる行動 / あるいはとられなかっ た行動によって引き起こされる結果に対して、JPCERT/CC は何ら保障を与える ものではありません。 __________ 2006 (C) JPCERT/CC この文書を転載する際には、全文を転載してください。また、最新情報につ いては JPCERT/CC の Web サイト http://www.jpcert.or.jp/ を参照してください。 JPCERT/CC の PGP 公開鍵は以下の URL から入手できます。 http://www.jpcert.or.jp/jpcert.asc __________ 改訂履歴 2006-01-16 初版 (JPCERT-PR-2006-0001) -----BEGIN PGP SIGNATURE----- Version: 2.6.3ia Charset: noconv iQCVAwUBQ8rYm4x1ay4slNTtAQFaEQP5ASnqgeEBfdbrSv+fDZxJHnwp/FUFk7l9 +Fwh/U6ZnOTi23nhpFZ5m9vewrutbwiQRWRl1Ni7U5OP6OVHUfggUHrUpIJQutOO 8ZUclC5oC6IrXctPRIz1JtWQVVdAVa3bq5EQuSKkBvdPRr3KU2HdBBGsBVYJ+ctA vabDqiDeuWs= =ulPv -----END PGP SIGNATURE-----