JPCERT コーディネーションセンター

Weekly Report 2016-03-09号

JPCERT-WR-2016-1001
JPCERT/CC
2016-03-09

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■02/28(日)〜03/05(土) のセキュリティ関連情報

目 次

【1】OpenSSL に複数の脆弱性

【2】PHP に複数の脆弱性

【3】複数の Cisco 製品に脆弱性

【4】コレガ製の複数の無線 LAN ルータにクロスサイトリクエストフォージェリの脆弱性

【5】コンテンツデリバリネットワーク (CDN) に対するサービス運用妨害 (DoS) の問題 (Forwarding Loop 攻撃)

【今週のひとくちメモ】経済産業省が「情報セキュリティ管理基準(平成28年改正版)」公開

※紹介するセキュリティ関連情報の選定基準は以下のページをご覧ください。
https://www.jpcert.or.jp/wr/

※PGP署名付きテキスト版および XML 版は以下のページをご覧ください。
https://www.jpcert.or.jp/wr/2016/wr161001.txt
https://www.jpcert.or.jp/wr/2016/wr161001.xml

【1】OpenSSL に複数の脆弱性

情報源

US-CERT Current Activity
OpenSSL Releases Security Advisory
https://www.us-cert.gov/ncas/current-activity/2016/03/01/OpenSSL-Releases-Security-Advisory

概要

OpenSSL には、複数の脆弱性があります。結果として、遠隔の第三者が、暗号
通信を解読したり、サービス運用妨害 (DoS) 攻撃を行うなどの可能性があり
ます。

対象となるバージョンは以下の通りです。

- OpenSSL 1.0.2g より前の 1.0.2 系
- OpenSSL 1.0.1s より前の 1.0.1 系

この問題は、使用している OS のベンダや配布元が提供する修正済みのバージョン
に OpenSSL を更新することで解決します。詳細は、開発者が提供する情報を
参照してください。

関連文書 (日本語)

Japan Vulnerability Notes JVNVU#90617353
SSLv2 の暗号通信を解読可能な脆弱性 (DROWN 攻撃)
https://jvn.jp/vu/JVNVU90617353/

JPCERT/CC Alert 2016-03-02
OpenSSL の複数の脆弱性に関する注意喚起
https://www.jpcert.or.jp/at/2016/at160010.html

関連文書 (英語)

OpenSSL
OpenSSL Security Advisory [1st March 2016]
https://www.openssl.org/news/secadv/20160301.txt

US-CERT Current Activity
SSLv2 DROWN Attack
https://www.us-cert.gov/ncas/current-activity/2016/03/01/SSLv2-DROWN-Attack

【2】PHP に複数の脆弱性

情報源

PHP Group
PHP 7.0.4 Released
https://secure.php.net/archive/2016.php#id2016-03-03-1

PHP Group
PHP 5.6.19 is available
https://secure.php.net/archive/2016.php#id2016-03-03-3

PHP Group
PHP 5.5.33 is available
https://secure.php.net/archive/2016.php#id2016-03-03-2

概要

PHP には、複数の脆弱性があります。結果として、第三者が、任意のコードを
実行したり、サービス運用妨害 (DoS) 攻撃を行ったりするなどの可能性があ
ります。

対象となるバージョンは以下の通りです。

- PHP 7.0.4 より前のバージョン
- PHP 5.6.19 より前のバージョン
- PHP 5.5.33 より前のバージョン

この問題は、開発者や配布元が提供する修正済みのバージョンに PHP を更新
することで解決します。詳細は、開発者や配布元が提供する情報を参照してく
ださい。

関連文書 (英語)

PHP Group
PHP 7 ChangeLog Version 7.0.4
https://secure.php.net/ChangeLog-7.php#7.0.4

PHP Group
PHP 5 ChangeLog Version 5.6.19
https://secure.php.net/ChangeLog-5.php#5.6.19

PHP Group
PHP 5 ChangeLog Version 5.5.33
https://secure.php.net/ChangeLog-5.php#5.5.33

【3】複数の Cisco 製品に脆弱性

情報源

US-CERT Current Activity
Cisco Releases Security Updates
https://www.us-cert.gov/ncas/current-activity/2016/03/02/Cisco-Releases-Security-Updates

概要

複数の Cisco 製品には、脆弱性があります。結果として、遠隔の第三者が、
任意のコードを実行したり、サービス運用妨害 (DoS) 攻撃を行ったりする可
能性があります。

対象となる製品およびバージョンは以下の通りです。

- Cisco NX-OS 6.0(2)U6(1) から 6.0(2)U6(5) が稼働している Cisco Nexus 3000 シリーズスイッチ
- Cisco NX-OS 6.0(2)A6(1) から 6.0(2)A7(1) が稼働している Cisco Nexus 3500 プラットフォームスイッチ
- Cisco NX-OS 7.1(1)N1(1) が稼働している Cisco Nexus 5500 プラットフォームスイッチ
- Cisco NX-OS 7.1(1)N1(1) が稼働している Cisco Nexus 5600 プラットフォームスイッチ
- Cisco NX-OS 7.1(1)N1(1) が稼働している Cisco Nexus 6000 シリーズスイッチ
- Cisco Nexus 1000V シリーズスイッチ
- Cisco Nexus 3000 シリーズスイッチ
- Cisco Nexus 4000 シリーズスイッチ
- Cisco Nexus 5000 シリーズスイッチ
- Cisco Nexus 6000 シリーズスイッチ
- Cisco Nexus 7000 シリーズスイッチ
- Cisco NX-OS Software が稼働している Cisco Unified Computing System (UCS)
- AsyncOS 8.5.3-051 より前のバージョンが稼働している Cisco Web Security Appliance (WSA)
- AsyncOS 9.0.0-485 より前のバージョンが稼働している Cisco Web Security Appliance (WSA)

この問題は、Cisco が提供する修正済みのバージョンに該当する製品を更新す
ることで解決します。詳細は、Cisco が提供する情報を参照してください。

関連文書 (英語)

Cisco Security Advisory
Cisco Nexus 3000 Series and 3500 Platform Switches Insecure Default Credentials Vulnerability
https://tools.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20160302-n3k

Cisco Security Advisory
Cisco NX-OS Software TCP Netstack Denial of Service Vulnerability
https://tools.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20160302-netstack

Cisco Security Advisory
Cisco Web Security Appliance HTTPS Packet Processing Denial of Service Vulnerability
https://tools.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20160302-wsa

Cisco Security Advisory
Cisco NX-OS Software SNMP Packet Denial of Service Vulnerability
https://tools.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20160302-n5ksnmp

【4】コレガ製の複数の無線 LAN ルータにクロスサイトリクエストフォージェリの脆弱性

情報源

Japan Vulnerability Notes JVN#59349382
コレガ製の複数の無線 LAN ルータにおけるクロスサイトリクエストフォージェリの脆弱性
https://jvn.jp/jp/JVN59349382/

概要

コレガ製の複数の無線 LAN ルータには、クロスサイトリクエストフォージェリ
の脆弱性があります。結果として、遠隔の第三者が、ウェブ管理画面にログイン
した状態のユーザに細工したページを開かせることで、ユーザの意図しない操
作をする可能性があります。

対象となる製品は以下の通りです。

- CG-WLBARGMH
- CG-WLBARGNL

2016年3月8日現在、対策済みのバージョンは公開されていません。以下の回避
策を適用することで、本脆弱性の影響を軽減することが可能です。

- ウェブ管理画面にログインしている間、他のウェブサイトにアクセスしない

詳細は、株式会社コレガが提供する情報を参照してください。

関連文書 (日本語)

株式会社コレガ
クロスサイトリクエストフォージェリの脆弱性について
http://corega.jp/support/security/20160229_wlbargmh_wlbargnl.htm

【5】コンテンツデリバリネットワーク (CDN) に対するサービス運用妨害 (DoS) の問題 (Forwarding Loop 攻撃)

情報源

Japan Vulnerability Notes JVNVU#94080110
コンテンツデリバリネットワーク (CDN) に対するサービス運用妨害 (DoS) の問題 (Forwarding Loop 攻撃)
https://jvn.jp/vu/JVNVU94080110/

概要

コンテンツデリバリネットワーク (CDN) のサービスには、サービス運用妨害
(DoS) の脆弱性があります。pull モード動作の設定によっては、遠隔の第三
者がリクエストの転送を内部的にループさせることで、サービス運用妨害 (DoS)
攻撃を行う可能性があります。

詳細は、研究者の発表資料を確認してください。
対象となるサービスは以下の通りです。

- コンテンツデリバリネットワーク (CDN) サービス

CDN サービスを提供している事業者は、自身の提供する CDN が本脆弱性の影
響を受けるか、研究者の発表資料を確認してください。

関連文書 (英語)

Internet Society
Forwarding-Loop Attacks in Content Delivery Networks (PDF)
https://www.internetsociety.org/sites/default/files/blogs-media/forwarding-loop-attacks-content-delivery-networks.pdf

■今週のひとくちメモ

○経済産業省が「情報セキュリティ管理基準(平成28年改正版)」公開

2016年3月1日、経済産業省は「情報セキュリティ管理基準(平成28年改正版)」
を公開しました。この管理基準は、情報セキュリティマネジメントに関わる国
際規格に準拠したもので、2003年に初版が、2008年に平成20年改正版が公開さ
れています。今回、国際規格の改正にあわせ、有識者やパブリックコメントに
よる意見も加味し、平成28年改正版が策定されました。この策定に伴い、平成
20年改正版は廃止となります。

参考文献 (日本語)

経済産業省
情報セキュリティ管理基準(平成28年改正版)
http://www.meti.go.jp/press/2015/03/20160301001/20160301001-1.pdf

経済産業省
情報セキュリティ管理基準(平成28年改正版)を策定しました
http://www.meti.go.jp/press/2015/03/20160301001/20160301001.pdf

■JPCERT/CC からのお願い

  • 本レポートに関するお問い合わせは editor@jpcert.or.jp 宛 にお願い致します。ただし、JPCERT/CC では、提供する情報について具体的な内容そのものについてのご質問にはお答えできない場合もあります。またバックナンバーは、以下の URL からご利用いただけます。
    https://www.jpcert.or.jp/wr/
  • 本メーリングリストの購読申込や購読停止、また登録した電子メールアドレスの変更などにつきましては、以下の URL を参照してください。
    https://www.jpcert.or.jp/announce.html
  • JPCERT/CC へのセキュリティインシデントの報告方法については以下の URLを参照してください。
    https://www.jpcert.or.jp/form/

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